70代で「月14万円」の年金だけで生活しています。私も「定額減税」で税金が安くなるのでしょうか?

AI要約

定額減税は、公的年金だけで生活している人も対象であり、年金収入に応じた課税額の減税が行われる。

年金収入のみの場合、調整給付や給付金が支給されることもあり、確定申告や所得税額の調整が必要となる。

具体例を挙げて試算すると、定額減税により手取り収入見込み額がどのように変化するかがわかる。

70代で「月14万円」の年金だけで生活しています。私も「定額減税」で税金が安くなるのでしょうか?

令和6年6月から始まった「定額減税」は、所得税と住民税が軽減される制度ですが、公的年金だけで生活している人も対象なのでしょうか。対象になる人や減税が行われる時期などを、試算をまじえて解説します。

公的年金を受け取っている人で、年金支給額から所得税と住民税が差し引かれている場合は、定額減税の対象です。所得税は6月支給分から減税され、住民税は10月に受け取る年金から分割して減税されます。

年金を受け取りながら働いて給与収入がある人は、年金収入と給与収入それぞれの源泉徴収税額から減税されます。年金収入額年400万円以下で給与収入などが年20万円以下の人は確定申告が不要です。

年金を受け取りながら自営業などを行っていて確定申告が必要な人は、翌年に行う確定申告で最終的な所得税額と定額減税額との調整が行われます。

令和6年度から新たに年金収入のみで住民税非課税世帯になった場合には、調整給付ではなく世帯主に1世帯あたり10万円の給付金が支給されます。住民税均等割のみ課税されている世帯には、世帯主に1世帯あたり10万円の給付金が支給されます(自治体によって、支給時期が異なります)。

定額減税によって、いくら減税されたのか・控除しきれなかった金額はいくらなのかは、令和7年1月に日本年金機構から送られてくる「公的年金等の源泉徴収票」に記載されます。

収入が公的年金だけの場合、定額減税によって手取り収入見込み額がいくらになるのか試算してみましょう。

<東京都在住で、公的年金が月14万円のAさん70歳(単身)の場合>

年金月額14万円から主に差し引かれるのは、所得税・住民税・国民健康保険料です。定額減税が行われる前と、減税されたあとの年金支給見込み額を試算します。

(1)定額減税される前の手取り収入見込み額

年金収入月額14万円×12月=年間168万円(税金などが差し引かれる前)

所得税800円+住民税1万1700円+国民健康保険料8万2800円=年間9万5300円

年金収入年額168万円-9万5300円=手取り収入見込み約158万4700円

(2)定額減税されたあとの手取り収入見込み額

所得税0円+住民税1700円+国民健康保険料8万2800円=8万4500円

年金収入年額168万円-8万4500円=手取り収入見込み約159万5500円

Aさんは課税される所得税額が少ないので後日、住んでいる自治体から「調整給付」が支給されます。調整給付金の金額は、定額減税3万円-所得税800円=約2万9200円で、1万円以下の端数が繰り上がって3万円支給される見込みです。