レクサス、新型「LBX MORIZO RR」受注開始 レクサス初の6速MTも用意して価格は650万円から

AI要約

レクサスは新型「LBX MORIZO RR」を発表し、注文受付を開始した。価格やカスタマイズオプションについても解説された。

新型LBX MORIZO RRはモリゾウ氏と共に開発され、高性能な走りと豊富な装備が特徴とされた。

車両の技術面やデザインについて詳細が明かされ、走行性能や乗り心地に重点が置かれた。

レクサス、新型「LBX MORIZO RR」受注開始 レクサス初の6速MTも用意して価格は650万円から

 レクサス(トヨタ自動車)は7月18日、新型「LBX MORIZO RR」を発表するとともに、同日より注文受付を開始した。価格は8速ATおよび6速MTともに650万円で、発売は8月下旬ごろを予定する。

 また、発売に際して100台限定の「LBX MORIZO RR“Bespoke Build”」の抽選販売も開始。抽選の申し込みはレクサス正規ディーラーで7月18日~7月31日まで受け付け、当選者には販売店から連絡が入る。価格は8速ATおよび6速MTともに720万円。

 LBX MORIZO RRではオーダーメイドシステム「Bespoke Build」を用意。表皮色、シートベルト、ステッチの色替え、配色構成のバリエージョン拡大などBespoke Build専用アイテムを含めた豊富なバリエーションの中から独自のオリジナル・コーディネートを楽しめるという。

 新型LBX MORIZO RRは、モリゾウことマスタードライパーである豊田章男氏と共に、レクサスらしい上質な走りと洗練されたデザインはそのままに、クルマとの対話を楽しみ、非日常の高揚感を味わえるハイパフォーマンスモデルとして開発された。

 トルクフルなパワーをもたらす直列3気筒1.6リッターターボ「G16E-GTS」型エンジンを搭載し、そのパワーを惜しみなく活かしきるためにクルマの基本素性も徹底的に鍛え上げたという。俊敏さと力強さを両立するための専用ブラットフォームを開発し、さまざまな路面状況で高いコントロール性を実現するため、フロントロアアームには世界初となるレスポンス向上減衰構造「REDS(Response-Enhancing Damping Structer」を採用。

 さらにレクサスならではの静粛性を実現すべく、スポーティな走りの中にも音や振動の発生源を抑制する源流対策を追求した。また、車両性能を最大限に引き出すためDirect Shitt 8ATの設定や、レクサス初となる6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)の採用に加え、スポーティな走りに貢献する電子制御フルタイムAWDを搭載している。

 新型LBX MORIZO RRについて、チーフエンジニアの遠藤邦彦氏は「LBXではサイズのヒエラルキーを超えるモデルを追求し、本物を知る人が素の自分に戻り、気負いなく乗れるカジュアルなラグジュアリーを提案してまいりました。今回『LBX MORIZO RR』では、モリゾウさんのような本物のクルマ好きが、クルマとの対話、聞こえてくる音や匂いを楽しみ、そして笑顔になる『相棒』となれるクルマをめざし、プロドライバーである佐々木選手と共に、Toyota Technical Center Shimayamaやサーキットで徹底的につくりこんできました。普段はリラックスしてカジュアルに乗れるクルマでありながら、いざ『走りを楽しみたい』とアクセルを踏み込んだ瞬間、その期待を裏切らない運動性能を発揮します。『クルマとの対話を楽しみ、思わず笑みがあふれ、非日常の高揚感を味わえるハイパフォーマンスモデル』にぜひご期待ください」とコメント。

 また、開発担当ドライバーを担ったレーシングドライバー佐々木雅弘選手は「LBXのHEVモデルがスニーカーだとすれば、MORIZO RRは身体を動かしたい時にも場所を選ばずに履ける、スパイクにもなれる運動靴のイメージで、エンジンやDirect Shit-8ATがもたらす力強い加速や気持ちの良いサウンドからクルマの楽しさや走る喜びを感じて頂けると思います。MORIZO RRでは、モータースポーツでGRが鍛え上げてきたエンジンの魅力をどうLEXUSの魅力にしていくか、両プランドの魅力を最大限に活かすことに取り組んできました。そして『もっといいクルマづくり』のため、モータースポーツでGRが取り組んでいるアジャイルな開発をLBXでも実践し、走り込みを重ね、クルマと共に開発に関わる『人』も大きく成長しました。今後のLEXUSのクルマづくりにおいても、レーシングドライパーそして一人のクルマ好きとして開発に携わってまいります。モリゾウさんのようなクルマ好き・運転好きがワクワクする遊び心を詰め込んだLBX MORZIO RRをぜひご体感ください」と述べている。

■ よりダイナミックでロー&ワイドなスタンスを表現

 LBXのエクステリアは、カーポンニュートラル時代に求められる徹底した空力性能の向上に挑戦し、空力・操縦安定性に着目。基本性能の向上を実現するとともに、レゾリュートルックに原点回帰した新たなレクサスのフロントフェイス「ユニファイトスピンドル」として表現したが、今回の新型LBX MORZO RRでは、さらに高い空力・冷却性能を実現すべく専用フロントパンパー・グリルを採用。加えて19インチ鍛造ホイール、専用レッドキャリバー、ボディ同色の拡幅されたカラードアーチモール、カラードロッカーモールにより、トレッドアウトされたタイヤの張り出しと重心の低さを強調し、よりダイナミックでロー&ワイドなスタンスを表現した。

 リアまわりは、ポディにコンパクトなキャビンを乗せた構成により、低重心でスタンスの良いシンプルな塊感はそのままに、室力性能に裏付けられた専用リアバンバーとデュアル化した大口径マフラーバッフルの採用により、機能的でパワフルなイメージを強調している。

 ボディカラーはHEVモデルでも採用されている「ソニッククロム」「レッドスピネル」をはじめ、MORIZO RRでは「ヒートブルーコントラストレイヤリング」「グラファイトブラックガラスフレーク」「ホワイトノーヴァガラスフレーク」などプレミアムな質感と鮮やかな有彩色でカジュアルさも併せ持つ、全5色のバイトーンをラインアップ。プラックキャピンとのコントラストでポティの塊感を際立たせ、モダンさとスポーティさを表現したという。

 空力性能については、「LEXUS PATHFINDER AIR RACING」との活動の中で培った技術を活かし、空力性能をさらに向上。フロントはバンバーサイドに設定した水平フィンが走行中の車両姿勢を安定させ、パンパーサイド内の右側に搭載したサブラジエータと左側に搭載したトランスミッションオイルクーラー(AT車のみ)に対して、走行風を集約してパンパー側面のスリットから排風することにより、効果的に冷却するとともに、タイヤ側面の流れを整流し空気抵抗を低減。

 リアまわりでは、バンバーサイドの流れを側面の張り出しとして縦フィンで飛ばすことで、風を巻き込ませず後方へ安定的に流し、背面空気抵抗の低減に成功。さらに床下へNACAダクト付きエンジンアンダーカバーを採用し、下部ダクトから床下を通る走行風を取り込むことで、トランスファーを冷却、長時間のサーキット連続走行を実現したという。

 インテリアでは、通常走行だけではなくスポーツ走行時にしっかりと身体をサポートする専用フロントシートを採用。シート表皮にはレッドステッチをあしらうことでさらにスポーティさを向上。ステアリングにはディンブル本革を採用し、スポーツ走行における安心感のある握り心地を実現。また。12.3インチフルグラフィックメーターでは、モータースポーツ起点の配置メーター表示を含む3つのレイアウトから選択可能で、アクセル、ブレーキ、クラッチの各ペダルにはスポーティなアルミパッドを採用し、プレーキ・クラッチベダル踏面の形状や角度を徹底的に追及したという。

 また、シフトレバー&シフトノプは、ATモデルにも新たにディンプル本革を採用し、HEVモデル同様にシフト操作時にはっきりと感じ取れるグリップ感を持つシフトレバーを実現。MTモデルは手のひらのフイット感と高い質感にこだわり、シフト操作時の良好なフィーリングを追求している。

■ 曲がる操舵と質感のさらなる向上のため、ロアアームに世界初のレスポンス向上減衰構造を採用

 新型LBX MORIZO RRのプラットフォームは力強いパワートレーンに対応するため軽量・高剛性を特徴とするプラットフォームをフロントに採用し、リアにはスポーツAWDに求められるディファレンシャルギヤ・サスペンションのサイズや形、剛性、取付位置を確保するために、ひとまわり大きなプラットフォームを組み合わせた。これによりスポーツAWDの駆動力やハイクリップタイヤの入力を受け止め、さまざまな走行条件で安定性、コントロール性に優れた足まわりを実現。ドライビングポジションの見直しも図っており、ドライバーをクルマの重心に近づけたHEVモテルのヒップポイントからさらに10mm下げ、加えてブレーキペダルの面を調整してペダル操作時の力の入れやすさにもこだわり、クルマとの一体感をより高めたという。

 また、高い操舵応答性を実現したLBXベース車両のボティから、さらに剛性を高めたアッパーボティにはドライバーに効果的に体感できる箇所に対し、短ピッチ打点を車両全体で469か所追加。また構造用接着剤も約12.8m塗布範囲を延長することで振動低減とともにクルマとのさらなる一体感を生む土台を作った。加えてロアバックの板厚アップ、アンダーボティ床裏への操安ブレース、リアにパフォーマンスタンパーを設定し、優れたハンドリング性能と乗り心地を両立した。

 サスペンションは、フロントはHEVモデルで新開発した軽量高剛性なストラット式を採用しつつ、いかなる速度域・走行場面でも曲がる操舵と質感のさらなる向上のため、ロアアームへ熱硬化樹脂を塗布し焼き付けることによる、世界初のレスポンス向上減衰構造「REDS(Response-Enhancing Damping Structure)」を新開発。リアには高い応答性とグリップ力を確保するダブルウィッシュボーン式を採用したほか、高剛性なビロボールジョイントなどによってプッシュ特性、部品剛性を最適化している。

 ブレーキシステムは冷却性能を最大限引き出すため、ATモデルはフロントにベンチレーテッドの2ピースティスク、リアにソリッドディスクを設定。MTモデルはフロントにベンチレーテッドの2ピースディスク、リアにペンチレーテッドディスクを設定したほか、フロント(AT/MTモデル)とリア(MTモデル)にスリットロータを採用。加えてペダル剛性感を重視したチューニングを行なうことで、スポーツ走行に適したプレーキフィーリングを実現した。

 また、LBXで徹底的にこだわったという音や振動の発生源を抑制する源流対策をLBX MORIZO RRでも追求。ベース車両で施したエンジンマウントの最適配置による起動時のショック低減や、ルーフパネルのマスチックシーラーの一部に高減衰タイプを採用し、走行時の車内静粛性の向上などに加えリアポディサイドへ塗布型制振材を設定した。さらに、各フェンダーへ不織布基材のフェンダーライナーを、エンジンアンダーカバーへ吸音材を設定することで静粛性を高めている。また、車両の走行状態やドライブモードに応じたスポーツ走行サウンドをオーディオスピーカから鳴動するアクティブサウンドコントロール機能を搭載。クルマの加速や減速に合わせエンジンやエキゾーストサウンドをアシストし、躍動感あふれるドライブを演出するという。

■ GR専用エンジンをベースにさらに高トルク、高出力

 パワートレーンは、2024年1月発表の「GR ヤリス」向けに開発された、スポーツ走行性能を極限まで高めたGR専用エンジンをベースに、さらに高トルク、高出力に進化した直列3気筒1.6リッターインタークーラーターポ「GI6E-GTS」型エンジンを採用。レクサスならではのチューニングを施し、レーシングドライバーによる徹底した走り込みを実施することで伸びやかで気持ちの良い加速を追求。

 また、徹底した軽量化による高いレスポンスを実現したといい、具体的にはアルミダイカスト製シリンタブロック(浅底水ジャケット、細径ヘッドボルト)、高強度アルミ製シリンダヘッド、中空組立カムシャフトを採用し、特に運動部品であるピストンやクランクシャフトの徹底的な軽量化を行なった。さらに大型ターポ採用によるレスポンスの低下を防ぐため、ボールベアリングターボとアブレーダブルシール構造を採用。また、通常の速度域ではターボのウェイストゲートバルブを開じて走行することで、アクセルONと同時にターポラグがなく、トルクが出る制御とした。

 そのほか高速燃焼を高タンブル高効率吸気ポートとマルチホール直噴インジェクタで実現し、これにより高出力化に伴うノッキング対策と排気性能の両立を図った。また、排気ガスを浄化する触媒をターポ直下に配置したことで浄化能力の大幅な向上を図っているという。

 トランスミッションは、リズミカルでテンポの良い変速によりシフト操作に気を取られずステアリング、アクセル、プレーキの運転操作に集中でき、スポーツドライビングの楽しさを広げるDirect Shit-8ATを開発。Dレンジのままであらゆる運転・走行シーンにおいてドライバーの意のままに変速できる気持ちの良い走りを実現するため、走行環境とドライバーの意思により自動的に最適なギヤ段を選択。スポーツモード選択時は、エンジンのパワーバンドを維持するようにギヤ段を連択し、より高いアクセルレスポンス、加速性能を両立する。

 また、シフトレバーでMポジションを選択後、パドルシフトスイッチの操作によりギヤ段の選択が可能なマニュアルモードを設定。エンジン最高回転数まで使い切ることを可能とするギヤ段ホールド制御のほか、クラッチ圧の油圧制御システムとパワートレーンマネジメントシステムを統合的に制御することで素早い変速を実現する高応答アップシフト制御・ブリッピングダウンシフト制御を採用。エンジン吹け上がりの際には、心地よいサウンドも楽しむことができるという。

 そしてレクサス初となる6速MTも採用し、制御にはiMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)を設定。iMT作動状態で変速動作(クラッチ操作、シフト操作)を検出すると、変速時のエンジン回転数を合わせるように制御し、スムーズな変速をアシストする。

 電子制御AWDは、シーンに応じて前後駆動トルク配分を最適化し、安心して意のままにクルマを操ることができ、スポーティな走行に貢献。また、滑りやすい路面などでは、AWD MODEスイッチを押すことにより、4輪のトラクションを重視した走行が可能なAWD 50:50モードに固定可能。また、AWDシステムの性能をさらに引き上げるトルセンLSDをフロント&リアディファレンシャルに設定。常に変化する路面状況に最適な左右輪のトルクを瞬時に配分し、コーナリングにおける鋭い立ち上がり加速や安定したコントロール性能を確保する。

 そのほかにも、GPSの位置判定から車両がサーキットなどモード利用可能エリアに入ると、アンチラグ制御、スピードリミッター上限速度の引き上げなど、LBX MORIZO RRのポテンシャルを引き出す「サーキットモード」を新設定。各機能はスマートフォンアプリ上でカスタマイスも可能とのこと。

サーキットモードにおける変化例

・アンチラグ:再加速時のアクセルレスポンスを向上させるため、ターボラク低減を制御

・スピードリミッター:国内主要サーキットにおいてリミッター上限にかからないよう上限車速を引き上げる

・クーリングファン:エンジン水温の冷却を促進するための冷却能力を最大化

・シフトタイミングインジケーター:最適なタイミングでのシフト操作を視覚的に伝達・サポートするインジケーターを表示