最凶アクティビスト田端信太郎VSメルカリの行方!「米国事業88億円の赤字」売上減、赤字幅減をどう見ればいいのか、撤退するべきなのか

AI要約

メルカリが国内ベンチャー企業として6年を経過し、米国事業は苦戦が続き約90億円の赤字を計上。

メルカリの直近の決算と今後の見通しを示し、2024年までの売上高や利益予想を紹介。

国内フリマ事業は順調に成長している一方、フィンテック部門が黒字化し、米国事業は苦戦中。

最凶アクティビスト田端信太郎VSメルカリの行方!「米国事業88億円の赤字」売上減、赤字幅減をどう見ればいいのか、撤退するべきなのか

 メルカリが国内ベンチャー企業の星として上場してから6年を経過した。国内フリーマーケット事業は順調に成長が続く一方で、上場前より注力する米国事業は苦戦が続き約90億円の赤字を計上した。株価も安値に沈んでいる。フィンテック事業が立ち上がるという好材料がある中で、今後の株価や米国事業の行方が注目される。みんかぶプレミアム特集「決算書1000本ノック」第2回ーー。

 日本のベンチャー企業の星として上場を果たしたメルカリ<4385>も、2018年6月の上場から既に6年が経過しました。フリマアプリとしてメルカリは定着した一方で、企業としての業績はその後どうなっているのでしょうか?下記がメルカリの直近3期の決算と今期の予想決算です。

・2021年6月期 売上高1,061億円、営業利益51億円、当期純利益57億円

・2022年6月期 売上高1,470億円、営業利益▲37億円、当期純利益▲75億円

・2023年6月期 売上高1,720億円、営業利益170億円、当期純利益130億円

・2024年6月期(予想) 売上収益1,900億円、営業利益165億円、親会社の所有者に帰属する当期利益120億円

※2023年6月期までは日本基準、2024年6月期以降はIFRS基準

 2022年6月期は赤字決算となったものの増収が続いており、2023年6月期は100億円を超える最終利益を計上しました。

 2024年6月期は会計基準の変更があり、過去と直接的な比較はできないものの、売上収益は1,900億円と2,000億円目前の水準に到達予定です。

 今期は第3四半期まで順調に進捗しており、通期予想の達成の可能性は高く波乱ない着地が見込まれます。

 メルカリは上場前より米国での事業立ち上げに向け、積極的な投資を行ってきました。国内フリマ事業の黒字で、米国フリマ事業を立ち上げようと努力を続けていますが、2023年6月期の部門別損益は以下となっています。

・マーケットプレイス 売上高1,017億円(前期比19%増)、営業利益339億円(同104%増)

・フィンテック 売上高312億円(前期比29%増)、営業利益5億円(前期は▲0.5億円の赤字)

・米国 売上高444億円(前期比7%増)、営業利益▲88億円(前期は▲121億円の赤字)

 国内でフリマアプリを展開するマーケットプレイス部門は増収増益の一方で、米国部門の赤字額は減少したとはいえ約▲90億円の赤字です。依然としてメルカリの米国事業は立ち上がりがなされたとは言いがたく、上場して6年が経過しましたが、米国ではもがき続けていると言わざるを得ません。

 一方、フィンテック部門が立ち上がりつつあり、売上高は300億円を超え営業利益が黒字化しました。同社のフィンテック部門はメルペイ事業、カード事業、暗号資産取引サービスが主な内容です。カード利用による債権残高が1,000億円を突破するなど、カード事業が好調に推移しています。フリマの決済にカードは欠かせず、自社ブランドのカード投入戦略は大きく当たったといえるでしょう。