〔米株式〕NYダウ続伸、158ドル高=ナスダックも高い(15日午前)

AI要約

ニューヨーク株式相場は、トランプ前大統領の暗殺未遂事件が買い安心感を広げ、続伸している。

市場はパウエルFRB議長の発言に注目。インフレ鈍化で利下げ観測が強まる中、金融政策の動向が注目されている。

個別銘柄では、キャタピラーやアップルが上昇傾向にあり、一方でメーシーズは下落。相場は支援要因もあるようだ。

 【ニューヨーク時事】週明け15日午前のニューヨーク株式相場は、続伸している。暗殺未遂に遭ったトランプ前大統領が軽傷で済んだことで、買い安心感が広がった。優良株で構成するダウ工業株30種平均は寄り付き直後、一時4万0285.62ドルを付け、前週末に続き取引時間中の最高値を更新。午前10時現在は前週末終値比158.88ドル高の4万0159.78ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は107.49ポイント高の1万8505.94。

 米東部ペンシルベニア州バトラーで13日開かれた選挙集会でトランプ前大統領が演説中、銃撃を受けたが、負傷したのは右耳上部だけだった。米大統領選を巡る過度の先行き不透明感が後退している。

 市場の関心は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がこの日参加する対談イベントでの発言に向いている。前週発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇。伸びは3カ月連続で縮小し、市場予想も下回った。インフレ鈍化でFRBが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの観測が強まる中、政策決定者がFOMC前に金融政策に関する発言を控える「ブラックアウト(沈黙)」期間入りを20日に控え、FRB高官らの週内予定されている発言機会に注目が集まっている。

 ニューヨーク連銀が朝方発表した7月の同州製造業景況指数は、総合でマイナス6.6となり、前月のマイナス6.0から小幅低下し、市場予想(マイナス6.0=ロイター通信調べ)も下回った。米景気の過熱感が引き続き後退していることが示唆され、市場の早期利下げ観測を後押しする格好となり、相場の支援要因となっているもよう。

 個別銘柄では、キャタピラー、アップルが約2%高となり、ダウ平均の上げを先導。アメリカン・エキスプレス(アメックス)、JPモルガン・チェースなど金融関連株も堅調に推移している。トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)は50%高と急伸している。一方、ナイキは1%超下落。メーシーズは15%近く下落している。メーシーズ買収を巡る米投資会社連合との交渉が終了したとの報が嫌気された。