スペースXの「ファルコン9」に不具合、衛星を予定軌道に投入できず

AI要約

スペースXのファルコン9ロケットが11日に不具合を起こし、衛星20基のうち13基が軌道に投入されない問題が発生。

不具合の原因はエンジンの再点火時に発生したもので、5基の衛星は通信可能で、衛星の高度引き上げが試みられている。

過去10年間はほぼ完璧な実績を持つファルコン9にとって珍しい事態であり、マスク氏は挑戦の価値があると述べた。

(ブルームバーグ): イーロン・マスク氏率いるスペースXのロケット「ファルコン9」で、11日に不具合が発生した。これまで数多く打ち上げられてきたファルコン9だが、飛行中に深刻な不具合に見舞われるのは極めてまれだ。

ファルコン9は、スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」の衛星20基を搭載していた。うち13基は、地上の携帯電話から衛星通信を直接利用できるサービス「ダイレクト・トゥ・セル(Direct to Cell)」用の衛星。スペースXは12日、ソーシャルメディアXへの投稿で、衛星が当初予定と異なる軌道に投入されたことを明らかにした。

最高経営責任者(CEO)のマスク氏はXで、ファルコン9上部にあるエンジンが軌道上で再点火を試みた際に不具合が発生したと説明。原因は不明だという。打ち上げのライブ映像では、ロケットに氷が付着し、宇宙空間で砕ける様子が映し出された。

スペースXは、衛星のうち5基と通信が可能で、イオンエンジンを使って衛星の高度引き上げを試みていると説明。マスク氏は「スタートレックのエピソードとは違って恐らくうまくいかないだろうが、やってみる価値はある」と記した。

国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッション中に空中爆発した2015年の事故などはあるが、スペースXはファルコン9に関して過去10年間、ほぼ完璧といえる打ち上げ実績を維持している。2023年には、ファルコン9と「ファルコン・ヘビー」で96回の打ち上げに成功している。

原題:SpaceX Suffers Rare Failure With Launch of Starlink Satellites(抜粋)

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