防衛省が約220人を処分、相次ぐ不祥事で-海上幕僚長は交代

AI要約

防衛省は安全保障上の特定秘密や潜水手当の不正受給など不祥事で約220人を処分し、海上自衛隊トップを交代させることを発表した。

防衛相は記者会見で謝罪し、引責辞任は否定した。政府は防衛費を増やす計画だが、不祥事により防衛増税に対する世論の反発が懸念されている。

内閣支持率の低迷など、さらなる影響も考えられる。

(ブルームバーグ): 防衛省は12日、安全保障上の特定秘密の不適切な取り扱いや潜水手当の不正受給など相次ぐ不祥事で約220人を処分した。最も多くの隊員が対象となった海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長を19日付で交代させる。同省が発表した。

木原稔防衛相は記者会見で、「いずれの事案も国民の信頼を裏切る、決してあってはならないものだ。国民の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪した。大臣給与1カ月分を自主返納するが、組織の早急な立て直しと国民からの信頼回復に「全力を尽くすことが私の責任」だと述べ、引責辞任は否定した。

政府は23年度から5年間の防衛費を従来の1.5倍の総額43兆円に増やす計画だ。財源の一部は所得税などの増税で確保する方針だが、具体的な開始時期は決まっていない。今回の不祥事で防衛増税への世論の反発が強まり、内閣支持率が低迷する岸田文雄首相にとってさらなる痛手となる可能性がある。

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