ニトリHDなど「円高メリット」銘柄買われる、過度な円安の修正期待

AI要約

外国為替市場で円が急伸し、内需関連銘柄が買われる状況が続いている。

主要内需企業の決算や株価の反転が注目されており、円安の修正期待により業績向上の兆しが見られる。

相場の調整後には、資金の分散が進む可能性が指摘されている。

ニトリHDなど「円高メリット」銘柄買われる、過度な円安の修正期待

(ブルームバーグ): 外国為替市場で円が対ドルを中心に急伸し、円高メリットを受ける内需関連銘柄が買われた。原材料や製品を輸入する内需企業にとって、38年ぶりの円安水準に振れていた為替動向はコストアップにつながり、収益性を低下させる要因となってきたが、過度な円安の修正期待が株価の反転を促した。

12日の日本株市場では、海外の工場で生産した家具製品を輸入・販売するニトリホールディングス株が一時前日比5.6%高の1万7505円と2月9日以来、5カ月ぶりの日中上昇率を記録。ニトリHD株は11日時点の年初来騰落率が12%安と、26%高の日経平均株価を大きく下回っていた。同社の前期決算では、仕入れや在庫に関する為替の影響が経常利益を380億円、粗利益率を3.3ポイント押し下げていた。

このほか、業務用スーパーチェーンの神戸物産株は一時4.8%高の3786円、製紙大手の王子ホールディングス株は2.4%高の641円、水産大手のニッスイ株も2.7%高の870.5円など。

アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「一方的な円安で為替によるマイナスの影響を受けてきた会社にとって、業績の邪魔をするような悪影響がピークアウトしていく可能性が出てきた」と指摘。相場が調整した後は、半導体などグロース銘柄への資金の集中が内需の一部にも分散していくとの見方を示した。

米国の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことを受け、11日の海外市場では円がドルに対し一時157円台まで上昇。日本の通貨当局による円買い介入観測もあった。12日の東京市場では159円台まで戻すなど乱高下する展開となっている。

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12日の日本株は米ハイテク株の下落を受けて半導体関連銘柄の下げが拡大、波乱の円相場が警戒され日経平均は一時1000円以上下げたものの、東証33業種では不動産や建設、水産・農林、陸運、パルプ・紙、電気・ガスなど内需セクターはプラス圏で堅調に推移している。

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