中古画材を引き取って必要な人の手元へ リユース事業で描く循環するアートの未来

AI要約

有澤紗生さんは中古画材のリユースショップ「Re arts Garden」を経営し、画材の回収、クリーニング、再販売を通じてアートが持続可能な社会に貢献している。

絵を描くという行為のライフサイクル全体をサポートする仕組みを作りたいという有澤紗生さんの思い。

美術大学時代に無駄になっている画材を目の当たりにし、それを活かしたいと考えたことが「Re arts Garden」を始めたきっかけ。

中古画材を引き取って必要な人の手元へ リユース事業で描く循環するアートの未来

中古画材のリユースショップ「Re arts Garden」(東京都練馬区)を経営する有澤紗生さん。美術大学時代に目の当たりにした画材の無駄をきっかけに、2021年にリユースプロジェクトを発足させ、2022年7月には現在の場所に店舗をオープン。画材の回収、クリーニング、再販売を通じて、アートが持続可能な社会に貢献することを目指す。

絵を描くという行為のライフサイクル全体をサポートできるような仕組みを作りたいという。活動にかける思いを聞いた。(聞き手 朝日新聞SDGs ACTION!編集部・池田美樹)

――「Re arts Garden」はどのようなショップですか。

中古画材の回収、販売、リースをおこなうお店です。画材は中古で売ろうとしても売る場所がほとんどないため、多くの人が使い切れずに余った画材を捨ててしまうのが現状です。そこで私たちは、まだ使える画材を無料で引き取ったり、買い取りをしたりして、クリーニングののち安価で販売しています。

取り扱う製品は、ペン、筆、パレット、絵の具、顔料、スケッチブックなど、多岐にわたります。入荷する時期や種類によっては、廃盤品や今では手に入らないものもそろっていることがあります。「探していた廃盤の絵の具が見つかって本当に助かった」と喜んでくれたお客様もいました。

――始めたきっかけを教えてください。

美術大学在学中に制作をしていた時、たくさんの画材が無駄になっている現実を目の当たりにしました。大学のゴミ捨て場には、まだ使える画材がたくさん捨てられていて、それを見て「これをなんとかいかせないか」と思ったのが始まりです。

卒業後もその思いは消えず、2022年に「Re arts Garden」を創業しました。当初は副業としておこなっていましたが、コロナ禍で仕事が減ったこともあり、本格的に取り組むことにしました。初めは友人や知人から少量の画材を集めて始めました。