米デルタ航空、夏季旅行シーズンに暗い見通し-価格競争が利益圧迫

AI要約

米デルタ航空は夏季旅行シーズンで国内航空各社が機体を満席にするのに苦労しており、価格競争で利益が圧迫されていると警告。

同社の第3四半期の業績見通しが市場予想を下回り、航空各社の競争が激化していることが浮き彫りに。

デルタ航空の株価が下落し、アナリストから業界の健全性に懸念を示す声も上がっている。

(ブルームバーグ): 米デルタ航空は、夏季旅行シーズンで国内航空各社は機体を満席にするのに苦労しており、価格競争で利益が圧迫されているとの警告を発した。

同社が発表した7-9月(第3四半期)の業績見通しは市場予想を下回った。11日の発表文によれば、同四半期の調整後1株利益は1.70-2ドルとなる見通し。ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均は2.04ドルだった。増収率は4%以下を見込む。アナリスト予想は5.3%だった。

航空各社の間では、繁忙期である夏の旅行シーズンに追加された座席を埋めるための競争が激化している。今回デルタ航空が示した見通しは、特に低価格帯市場での影響を浮き彫りにするものだ。各社は競争力を維持するため、ライバルよりも安い運賃設定を余儀なくされている。

デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「供給過剰が大幅な値引きにつながった」とインタビューで語った。同氏によると、航空券の値下がりは6月から8月にかけての分が「特に急激」となっており、業界全体の供給能力は需要を3-4%上回っている。

11日の米株式市場で同社の株価は一時10%下落。ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスとアメリカン航空グループもそれぞれ一時7%を超える下落となった。

TDカウエンのアナリスト、トーマス・フィッツジェラルド氏は、デルタ航空の見通しは「業界の健全性に懸念を抱かせる可能性が高い」と述べた。

原題:Delta’s Disappointing Outlook Sends Warning on Summer Travel (3)(抜粋)

--取材協力:Siddharth Vikram Philip.

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