米、中国製鉄鋼・アルミの関税逃れ阻止-メキシコ経由に追加関税

AI要約

米バイデン政権は中国製の鉄鋼・アルミニウムがメキシコを経由して輸入され、不当に関税を免れるのを阻止するため新たな関税を導入する。

新たな関税は溶解・鋳造されていない鉄鋼のメキシコからの輸入に25%の追加関税と、鋳造あるいは精錬されたアルミのメキシコ経由の輸入には10%の追加関税を課す。

この措置は米国・メキシコ・カナダ協定を結んでいる国々に影響するものであり、中国をターゲットにした幅広い関税賦課の一環となる。

(ブルームバーグ): 米バイデン政権は中国製の鉄鋼・アルミニウムがメキシコを経由して輸入され、不当に関税を免れるのを阻止するため新たな関税を導入する。

ブレイナード国家経済会議(NEC)委員長はメキシコないし米国、カナダで溶解・鋳造されていない鉄鋼のメキシコからの輸入に25%の追加関税を課すと述べた。また中国ないしロシア、イラン、ベラルーシで鋳造あるいは精錬されたアルミのメキシコ経由の輸入には10%の追加関税を課すとした。

この措置は10日に発効する。米国、メキシコ、カナダは自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を結んでいる。

今回の措置は中国をターゲットにした幅広い関税賦課に続くものだ。米国は供給過剰の中国から鉄鋼・アルミが大量に流入するのを警戒している。

事情に詳しい複数の米当局者が匿名を条件に明らかにしたところでは、今回の措置の影響を受ける鉄鋼・アルミニウムは少量だが、今後、中迂回(うかい)輸出が急増する可能性に備えたものだという。

これら当局者によると、2023年に米国がメキシコから輸入した鉄鋼は約380万トンで、その13%は北米以外からメキシコ経由で輸入されたものだった。また23年にメキシコから輸入したアルミ10万5000トンの6%は海外で精錬ないし鋳造されていた。

特に中国の不動産不況を受けて、米国は鉄鋼輸入の急増が国内市場を直撃するのではないかとの懸念を強めていた。米政府当局者の1人によると、米国はかねて鉄鋼セクターが極めて重要な国内産業だと中国側に明確に伝えてきたという。

原題:US Targets China With Tariffs on Steel, Aluminum Sent Via Mexico(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.