65歳まで働く予定でしたが退職を2年早めました。年金を早く受け取りたいのですが、基礎年金と厚生年金を別々に繰下げできますか?

AI要約
Aさんは退職を早めることになり老後資金の計画変更を余儀なくされた。年金受給の繰り下げを検討している。国民年金の任意加入を勧め、iDeCoや付加保険料の選択肢も提示。公的年金の受給時期の繰下げによって受給額を増やすための制度について説明。
65歳まで働く予定でしたが退職を2年早めました。年金を早く受け取りたいのですが、基礎年金と厚生年金を別々に繰下げできますか?

人生には想定外のことがおこります。老後資金の計画をしていても、途中で計画が違ってくることも。そんな時、軌道修正は迅速に行うことが肝要です。

65歳まで働く予定だったAさんですが、諸事情から63歳で退職することになりました。夫婦で100歳まで生きることを目指して老後の資金計画をたててきましたが、ここに来て予定が違ってきました。そこで、年金受給の繰下げを検討しているとのことです。

Aさんは本来ならあと2年間働いて、その間は厚生年金に加入する前提で計画を立てていました。2年間退職を早めたことで、予定していた年金受給額は減ってしまいます。そこで年金を繰下げ受給することで、金額を調整しようと考えているとのことでした。

話を聞いて、2つのアドバイスをさせていただきました。

<アドバイス1> 国民年金の任意加入

国民年金に加入するのは20歳から60歳までですが、学生時代は支払いを猶予されて払っていない期間があることが多いです。その間の不足分を退職されてから65歳までの間に任意加入ができます。あくまで任意なので必須ではありませんが、将来受け取る基礎年金部分を満額に近づけることができます。このままだと20~60歳まで480ヶ月加入して満額のところ、おそらく2~3年分は欠けています。

国民年金を払っている期間はiDeCoに加入することもできます。またiDeCoではなく、月額400円の付加保険料を払うこともできます。こちらは、例えば18ヶ月払うと、200円×18ヶ月=3600円 年金の受取金額を年額3600円増やすことができます。このような方法で受取額を増やしておくと、生涯に渡り恩恵を受けることができます。

公的年金は受給時期を繰下げることで、受給額を増やすことができます。この制度はねんきん定期便などでも案内されていますので、ご存じの方も多いはずです。Aさんも1年の繰下げを検討されています。繰下げによる受給額の増加率は下図のとおりです。

(図表)