ジェフリーズ資産運用部門の傘下ファンド、元運用担当者を詐欺で提訴

AI要約

米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループの資産運用部門傘下のヘッジファンド、352キャピタルが、元ポートフォリオマネジャーをニューヨークの連邦地裁に提訴。ネズミ講に似た詐欺容疑で1億ドル以上を投じたと主張。

提訴された元ポートフォリオマネジャーは、浄水自動販売機企業が発行した社債に投資。自販機の存在を知りながら詐欺を働いた疑い。

訴状によると、資金は新しい自販機の購入に使われるはずだったが、数千台の自販機が存在しないことが発覚し、問題が浮上。

(ブルームバーグ): 米ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループの資産運用部門傘下のヘッジファンド、352キャピタルが、元ポートフォリオマネジャーをニューヨークの連邦地裁に提訴した。ネズミ講と似た仕組みの詐欺に1億ドル(約161億円)強を投じたと主張している。

先週提出された訴状によると、訴えられたジョーダン・キリコ氏は、数千台の浄水自動販売機を運営するとされる企業が発行した大量の社債購入を指示した。同氏はこうした自販機が存在しないと知りながら、自身の投資資金を回収する目的などで352の資金を投じたという。

キリコ氏のほかに、浄水自販機企業ウォーターステーション・マネジメントと、創業者ライアン・ウェア氏を含む複数の同社関係者も提訴された。

キリコ氏は、コメントについては自身の弁護士に問い合わせるよう求めた。弁護士にコメントを求めたが今のところ回答はない。キリコ氏は今月、飲食店チェーン、FATブランズにデットキャピタルマーケッツ(DCM)責任者として入社した。ウェア氏とウォーターステーションからもコメントは得られなかった。

訴状によると、ウォーターステーションは、浄水自販機を所有すると同時にフランチャイズも展開していると主張。社債発行の目的はフランチャイズ加盟者向けも含め、より多くの装置を購入・配置することだと説明していた。

キリコ氏は2020年にジェフリーズ傘下のルーカディア・アセット・マネジメントに入社し、352のポートフォリオマネジャーになった。同氏は22年4月に初めて352の資金1500万ドルをウォーターステーションの社債に投資したとされる。その時点で既に同氏と妻は自己資金700万ドルを同社のフランチャイズに投じていた。この利益相反について、同氏は雇用主に報告していなかった。

社債発行で調達した資金は、社債の担保となる新しい自販機の購入にのみ使われることになっていた。だが23年8月までにキリコ氏は、購入されるはずだった数千台の浄水自販機が存在しないことに気付いた。