山口FG社長、能力次第でメガバンク並み報酬も-市場部門で採用強化

AI要約

山口フィナンシャルグループは、市場部門での外部採用を強化し、優秀な人材確保を目指している。

報酬体系に縛られず、メガバンク並みの報酬を用意し、市場部門の即戦力となる人材を採用する方針。

地銀ならではの難しさもあるが、市場部門のリスク管理を強化し、連結純利益を記録している。

能力次第ではメガバンク並みの報酬で新たな人材を採用する取り組み。

大手金融機関と異なり、地銀では幅広い業務を担うことが求められることに対する対応。

市場部門の人材確保を通じて、安定的な収益を稼ぐ有価証券ポートフォリオの構築を進めている。

外部採用により、有価証券ポートフォリオの構築やリスク管理の強化に取り組む山口フィナンシャルグループ。

過去最高益を見込むなど、堅調な業績を背景に市場部門での外部採用を加速している。

金融業界全体における人材確保の課題において、地銀ならではの課題を克服しようとしている。

山口FG社長、能力次第でメガバンク並み報酬も-市場部門で採用強化

(ブルームバーグ): 山口銀行やもみじ銀行、北九州銀行の持ち株会社である山口フィナンシャルグループ(FG)は、有価証券運用を担う市場部門での外部採用を強化する。能力次第ではメガバンク並みの報酬で採用できる新たな人事制度を導入し、優秀な人材確保を目指す。

椋梨敬介社長兼最高経営責任者(CEO)がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。4月に市場部門を含めた6分野で専門コースを導入したといい、従来の報酬体系に縛られることなく能力のある人材には「それなりの処遇ができるように準備した」と説明。メガバンク並みの報酬も「支払う準備はある」と明言した。

各社の前期(2024年3月期)の有価証券報告書によると、3メガ銀行の平均年収は800万円(平均年齢40歳前後)を超える。日本銀行のマイナス金利政策解除によって、債券トレーダーなどの採用を巡る金融機関の競争が激化する中、「報酬がネックにならないようにした」と語った。

市場部門での即戦力となる人材採用は、安定的な収益を稼ぐ有価証券ポートフォリオの構築に取り組む同社にとって鍵となる。22年3月期に米欧の金利急上昇を受け、収益の悪化した外国債券や投資信託を売却し、130億円の最終赤字を計上。その後、外部の有識者も含めたリスク委員会を設置するなど市場部門のリスク管理の向上に取り組んできた。

現在、市場部門ではメガバンクなどから転職してきた2人の中途採用者が勤務している。いずれも50代のベテラン。22年3月末に約1兆3400億円まで削減した有価証券の残高(時価、傘下銀行合算)は、24年3月末に約2兆円にまで復元した。今期(25年3月期)の連結純利益は330億円と過去最高益を見込む。堅調な貸し出し収益に加え、有価証券の運用収益改善が寄与する。

地銀ならではの難しさも

人材確保は金融機関に共通する悩みだが、地銀ならではの難しさもある。大手金融機関では、為替など特定分野で仕事をすることが多いが、地銀ではひとりの担当者が同時にさまざまな業務を担うことが求められる。