1つの厨房機器で『多重リース』契約　8700万円をだまし取った疑い　飲食店経営者ら2人逮捕　大阪府警

飲食店に置く冷蔵庫などで多重リースを行い、複数のリース会社からおよそ8700万円をだまし取った疑いで、飲食店経営者の男らが逮捕されました。まるで錬金術のように金を生み出す「多重リース」詐欺の手口とは…

（Ｑ．リース詐欺が行われていたとして、全く関与されていない？）

【藤本英明容疑者】「全く関与していないです。自信ありますよ。僕らは施工だけなんで」

（Ｑ．何の事情も知らない？）

【藤本英明容疑者】「情報も分からないです」

犯行への関与を否定するこの男。飲食店の内装などをする「FUJI住設」の社長・藤本英明容疑者（60）。9日、詐欺の疑いで逮捕されました。

さらに藤本容疑者と共謀して犯行に及んだ疑いで飲食店運営会社「GC」の経営者・石原義明容疑者（41）も逮捕されました。

事件の構図は次のようになります。

飲食店とリース会社が契約を結ぶと、リース会社は施工会社から厨房機器を購入します。厨房機器1つに対してリース会社1社としか契約できませんが…

2人は共謀して、別のリース会社と契約を結ぶつもりであることを隠して、リース会社3社と契約し、およそ8700万円をだまし取った疑いが持たれています。

2人は、1つのリース物件に複数の契約を結んで不正に金を得る、いわゆる「多重リース」に手を染めていたのです。

藤本容疑者は、石原容疑者と知人を介して知り合い、15年ほど前から仕事を一緒にするようになったといいます。

（Ｑ．石原容疑者からは具体的にどういった仕事を振ってもらっていたのか？）

【藤本英明容疑者】「店舗改装ですよね。店舗改装の仕事です。一から作るとなれば、1500万円ぐらいになりますね」

（Ｑ．「GC」が潤えば、藤本容疑者の会社も潤ったということか？）

【藤本英明容疑者】「そういうあれはありますね。ちょっと依存しすぎているところもあってんけど」

ビジネスにおいて、深い関わりがあったとみられる藤本容疑者と石原容疑者。藤本容疑者は、詐欺の疑いについては…

（Ｑ．「GC」が多重リースをした可能性がある。その件について何かご存じないか？）

【藤本英明容疑者】「それはちょっとわからないですね。多重（リース）になってるか。僕らはそれ（冷蔵庫など）がきたときに施工してるだけなので」

容疑を真っ向から否定。さらに、石原容疑者に責任転嫁する主張も。

【藤本英明容疑者】「それはそっち（石原容疑者側）で絵を書いてるんとちゃう。俺は分からへん。ほんまの施工業者やから。きたやつを設置してただけなんで」

（Ｑ．石原容疑者の「GC」の言われるがままに？）

【藤本英明容疑者】「そんな感じですよね」

（Ｑ．つまり「GC」石原さん側に多重リースを押し付けられた可能性があるということか？）

【藤本英明容疑者】「押し付けられたかどうかは分からんけど、うちの名前を使って受け取りはここにしていたとちゃうんかな」

捜査関係者によると、リース会社からだまし取った金は、容疑者それぞれ会社の運転資金などに充てられていた可能性があるということです。

警察は2人の認否を明らかにしていませんが、石原容疑者が運営する他の飲食店でも同様の手口で犯行に及んだ疑いもあるとみて捜査しています。

（関西テレビ「newsランナー」 2024年7月9日放送）