ECBウンシュ氏、インフレ鈍化の確信必要-今年2回超の利下げなら

AI要約

ECBの政策委員会メンバーが、インフレ率が2%に戻る必要があるとし、利下げには慎重な姿勢を示した。

市場は今年中に更なる利下げを予想しているが、過去の経験から検討すべきだと述べた。

物価上昇の鈍化は進展しており、困難な時期は過ぎたとの見解を示した。

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ベルギー国立銀行(中銀)のウンシュ総裁は1日、今年の2回を超える利下げを支持するためには、インフレ率が目標の2%に戻ると確信する必要があるとの認識を示した。

ポルトガルのシントラで開催されているECBの年次フォーラムに参加している同総裁はブルームバーグテレビジョンに対し、「インフレ率が2.5%前後で推移している限り、最初2回の利下げは比較的容易だ。まだ明らかに景気抑制的だからだ」と説明。

その上で、インフレ率が「まだ2.5%前後でさらに利下げも考えているなら、ある時点でより難しくなると思う」とし、そのためインフレ率が「2.5%を下回り2%に向かうという強い兆候が本当に必要だ」と語った。

ECBは先月、中銀預金金利を過去最高水準に引き上げて以来初めてとなる利下げを実施。ウンシュ総裁によれば、市場は今年中にあと1、2回の利下げがあるとみている。同総裁は「妥当」なシナリオに見えるとしながらも、7月会合での2回目の利下げは早過ぎるかもしれないと示唆。

「セオリー上は、常に選択肢の一つだ」とした上で、「私が注意を促しているのは、より多くの情報が得られる会合にもっと重点を置いてほしいということだ」と話した。

ウンシュ総裁は物価上昇の鈍化が正しい方向に進んでいると述べ、「大まかに言えば、過去6-9カ月を振り返っても、われわれはまだ軌道に乗っており、われわれの予想通りだ」と指摘。「最も困難な時期は過ぎた」との見方を示した。

原題:ECB’s Wunsch Would Need Convincing for More Than Two 2024 Cuts (抜粋)

--取材協力:Joao Lima.

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