トランプ氏の関税案、FRBに5回追加利上げ促す可能性-ゴールドマン

AI要約

トランプ前大統領が提案する全面的な関税が実現すれば、インフレ加速を招き、米金融当局による追加利上げが必要となる可能性がある。

ゴールドマン・サックスのチーフエコノミストは、トランプ氏の関税案が世界的な報復関税や貿易戦争の恐れを増大させると警告している。

その結果、金融政策の乖離が拡大し、ECBやFOMCが利下げを行う可能性もある。

(ブルームバーグ): トランプ前大統領が提案する全面的な関税が現実となればインフレ加速を招き、米金融当局による約5回の追加利上げにつながる可能性がある。ゴールドマン・サックス・グループのチーフエコノミスト、ヤン・ハッチウス氏が予測した。

トランプ氏は大統領に返り咲いた場合、中国からの輸入品に60%余り、また全輸入品に対しても10%の関税を課す計画を示している。

トランプ氏、60%超える対中関税の導入を示唆-大統領返り咲きなら

ハッチウス氏は2日、ポルトガルのシントラで行われている欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムでの講演で、トランプ氏の関税案は「米国の平均関税率を16ポイント引き上げ、20%近くにする可能性がある。これは戦後最高となるだろう」と述べ、世界的な報復関税につながり、貿易戦争に発展する恐れがあると続けた。

さらに「貿易戦争がない場合のわれわれの基本シナリオは、ECBと米連邦公開市場委員会(FOMC)は今後2年間で計150-200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを実施するというものだ。世界的な貿易戦争が起これば、金融政策の乖離(かいり)が拡大する可能性がある」との見方を示した。

原題:Goldman Sees Risk That Trump Tariffs Prompt Five Extra Fed Hikes

(抜粋)

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