成田空港、燃料不足で6社57便就航待ち 海外調達で対応

AI要約

成田国際空港での航空燃料不足が深刻化し、中国などアジア諸国からの57便が就航待ちになっている。

燃料不足は国内各地の空港でも問題となっており、生産体制の縮小が原因とされている。

国土交通省航空局と経済産業省が連携し、対策を協力して進めている。

成田空港、燃料不足で6社57便就航待ち 海外調達で対応

 成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は6月27日、航空燃料不足の影響で、中国をはじめアジア諸国の6社57便が就航待ちになっていることを明らかにした。燃料不足は国内各地の空港で問題となっており、成田では2-3カ月前から顕著になったという。

 航空燃料は原油を精製して作られるが、自動車業界のEV普及促進などの影響を受け、国内では生産体制の縮小により供給が厳しい状況となっている。田村社長は「中国をはじめアジア諸国からの就航を、燃油のせいで受け入れられない状況だ」と説明した。

 田村社長によると、就航まで1年程度時間があれば、国内の供給不足をある程度は解消できるものの、「できるだけ早く(就航を)実現させるとなると、海外から持ってくるしかない」と、不足分の輸入に向けて調整を進めているという。

 一方で、「今後さらにいろいろな需要が出てくる」と、現在の要望に加えて新規就航や増便を希望する航空会社が増える可能性を指摘。供給不足が解消されない限り、中長期的な課題になっていくとの考えを示唆した。国土交通省航空局(JCAB)も、6月に入り経済産業省の資源エネルギー庁と合同で官民タスクフォースを立ち上げ、対策を進めている。

 「成田の場合は受け入れ施設がある程度あり、一度に発注する規模も大きいが、地方空港の場合は一度の発注ロットが小さかったり、受け入れ施設に課題があったりする。(航空燃料の)国内生産体制の縮小に伴い、輸送体制も縮小している感じだ」と、国内の燃料不足が日本全体のインバウンド需要にも影響すると指摘した。