日銀の国債購入減額計画と利上げの同時決定、3割超が予想-サーベイ

AI要約

日本銀行が国債買い入れ減額計画を決定する7月の金融政策会合で、追加利上げが期待される

減額計画公表と同時の利上げ決定で金利上昇のリスクが指摘されているが、景気の影響も考慮して10月の利上げを見込む声もある

日銀は国債減額計画策定に向けて市場参加者会合を予定しており、今後の動向が注目されている

日銀の国債購入減額計画と利上げの同時決定、3割超が予想-サーベイ

(ブルームバーグ): 日本銀行が国債買い入れの具体的な減額計画を決める7月の金融政策決定会合では、3割超のエコノミストが同時に追加利上げが実施されると予想している。

日銀が14日の会合で国債買い入れの減額方針を決定したことを受け、ブルームバーグは25日に特別調査を行った。回答した43人のエコノミストのうち33%が、日銀が7月30、31日の会合で追加利上げするとみる。最多は10月の42%で、年内に行われるとの見方は95%に達した。6月会合前の調査では7月と10月が最多の33%だった。

調査リポート:日銀7月会合は3割が利上げ予想-前回調査から横ばい

日銀は6月会合で金融政策の現状維持と長期国債買い入れの減額方針を決定し、7月会合で今後1-2年程度の具体的な減額計画をまとめることも決めた。植田和男総裁は会合後の記者会見で、減額計画について「相応の規模となる」と言明。円安傾向が続く中、7月会合での利上げも「当然あり得る」とタカ派的なトーンを強めた。

今回調査では、44%のエコノミストが減額計画の決定によって7月利上げの可能性が低下したと思うと回答した。国債減額計画と追加利上げの同時決定は難しいとの見方から、10月の利上げ予想が増えた可能性がある。ただ、7月利上げの見方の比率自体に変化はなく、植田総裁の発言などが7月予想をつなぎとめたと言えそうだ。

岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、減額計画の公表と同時の利上げ決定で金利が大きく上昇してしまう可能性は排除できないと指摘。その上で、「足元の消費やマインドの弱さ、自動車の認証不正問題による景気への悪影響を踏まえると、7月会合までに見通しの確度を高めるような情報・データが得られることは想定しづらい」として10月利上げを見込んでいる。

日銀は、国債減額計画の策定に向けて7月9、10日に「債券市場参加者会合」を開き、先行きの国債買い入れの運営に関して実務的な観点で市場参加者から意見を聞く予定だ。