ハリス米副大統領の夫、トランプ氏を「憎悪の炎あおる」と非難

AI要約

ハリス副大統領の夫が、バイデン大統領の再選が反ユダヤ主義との闘いに重要だと訴え、トランプ元大統領を非難。

エムホフ氏はユダヤ系であり、反ユダヤ主義に反対する発言者として注目を浴びている。

また、反ユダヤ主義が再燃している現状やバイデン政権の国家戦略についても言及。

(ブルームバーグ): ハリス米副大統領の夫ダグ・エムホフ氏は23日、米ペンシルベニア州ピッツバーグで、2018年に銃乱射事件が起きたシナゴーグ(ユダヤ教会堂)での演説後のコメントで、バイデン大統領の再選は反ユダヤ主義との闘いにとって非常に重要だとし、トランプ元大統領を憎悪の「炎をあおる」人物だと非難した。

エムホフ氏は11月の米大統領選について、「憎悪と反ユダヤ主義に対抗して前進する」バイデン氏と、民主党支持のユダヤ人を攻撃する際、イスラエルに関する実績を引き合いに出すトランプ氏との「二者択一」だと述べた。「あんな人が、私のようなユダヤ人に誰に投票すべきかを主張するなんて、言語道断だ」とエムホフは23日のインタビューで語った。

エムホフ氏は、米国の国家的指導者の配偶者としては初のユダヤ系であり、国内外での反ユダヤ主義に反対する率直なホワイトハウスの発言者だ。

イスラム組織ハマスが昨年10月7日にイスラエルを攻撃し、同組織に対するイスラエルの軍事作戦が開始されてから、米国では反ユダヤ主義の事件が再燃しており、エムホフ氏はユダヤ系米国人の心のよりどころの役割を果たしてきた。

23日、シナゴーグ「ツリー・オブ・ライフ」で、銃乱射事件の犠牲者記念館を含む新しい建物の起工式に出席したエムホフ氏は、反ユダヤ主義が 「これまでにないレベル」まで高まっていると述べた。「ユダヤ人がその信条やアイデンティティーのために標的にされ、イスラエルが反ユダヤの憎悪を理由に目をつけられるとしたら、それは反ユダヤ主義だ。文脈がどうあれ、明確に非難されるべきものだ」とエムホフ氏は聴衆に訴えた。

18年の銃撃事件は、11人の礼拝者が死亡、ホロコースト生存者を含む6人が負傷し、米国のユダヤ人殺害事件としては史上最悪のものとなった。犯人は事前にソーシャルメディアに、反ユダヤ主義的陰謀論を投稿していた。

エムホフ氏は、バイデン政権が昨年発表した反ユダヤ主義に対する国家戦略の策定に携わった。エムホフ氏はインタビューで、10月7日の攻撃以降、「政権内ではこの戦略を改善するため、より多くの資金を充て、大学内やオンラインで起きていることに注目し、より多くの調査を行うなど、重点的に鋭意取り組んでいる」と強調した。また、選挙で選ばれた指導者だけでなく、全ての米国人が声を上げ、「このヘイトによって私たちが分断されることのないようにすべきだ」と呼びかけた。