熊本・球磨焼酎、複数の蔵元の焼酎をブレンドした新ブランド…低アルコール商品中心に展開

AI要約

九州豪雨で被災した熊本県の人吉・球磨地域特産の球磨焼酎に、新ブランド「KUMA SPIRITS AND BOTTLERS」が誕生した。

第1弾となる4種類の銘柄が販売され、低アルコールの商品を中心に展開されている。

被災地の地域経済支援や新たな販路開拓を目指して企画されたプロジェクトで、球磨焼酎の魅力が広く知られることを目指している。

関係者による試飲会や新商品開発、施設整備などの展開計画も進行中であり、球磨焼酎のさらなる魅力発信が期待されている。

地元飲み方に合わせたブレンドや新しい飲み方の提案など、新しい消費者層の獲得を目指す取り組みが行われている。

新たなマーケットで展開される商品群によって、球磨焼酎の伝統と魅力が世界に向けて発信され、地域経済の復興や発展に貢献することが期待されている。

 九州豪雨で被災した熊本県の人吉・球磨地域特産の球磨焼酎に、新ブランド「KUMA SPIRITS AND BOTTLERS」が誕生した。複数の蔵元の焼酎をブレンドし、低アルコールの商品を中心に展開する。第1弾となる4種類の銘柄を20日から販売し、国内外での新たな販路の開拓と付加価値の向上を目指す。(山之内大空)

 被災地の地域経済を支援しようと、球磨焼酎の卸問屋を営む鳥越英夫さん(56)らが企画。蔵元らに呼びかけてプロジェクトチームをつくり、約2年かけて完成させた。

 第1弾は、27ある蔵元のうち、深野酒造(人吉市)、林酒造場(湯前町)の焼酎を使用した。ブレンドは酒のプロデュース業を数多く手掛ける東京のレモンサワー専門店「OPEN BOOK」オーナーの田中開さん(33)が担当した。

 4種類のうち、「MAEWARI」(720ミリ・リットル、税込み2750円)が3種類。芳醇な香りを楽しめる「アロマティック」、ふくよかな香りに米のうまみが残る「ハーモニー」、玄人向けの濃い味わいにまとめた「クロウト」を用意した。

 それぞれ4、5種の焼酎をブレンドし、蔵元の仕込み水を掛け合わせた。アルコール度数は13%。酒を水や炭酸で割る文化がない海外でも親しめるように、冷やしてワイングラスでも楽しめる。

 もう1種類の「直燗」(500ミリ・リットル、同3960円)は、度数38%。じか火で温める地元の飲み方に倣い、お湯割りなどで強いコクが味わえるという。

 人吉市の観光複合施設「HASSENBA」で4日に試飲会があり、関係者約40人にお披露目された。今後、他の蔵元との新商品開発や球磨焼酎の魅力を発信する新施設の整備も検討していくという。

 鳥越さんは「新しいマーケットでも営業していける武器ができた。自分の好みを選んで楽しんでほしい」と話している。