JPモルガンが警戒、CPIとFOMCによる株価ショックの可能性

AI要約

ウォール街のトレーディングデスクは、米インフレ統計およびFOMCの政策決定を控え、投資家を株価変動に備えるよう促している。

CPIとFOMCの同時発表によるボラティリティー要因を市場が警戒し、株価の動向に注目している。

過去の指標をもとに、JPモルガン・チェースのトレーディングデスクは株価変動のシナリオを予測している。

(ブルームバーグ): JPモルガン・チェースからシティグループに至るまでウォール街の有力トレーディングデスクは、12日発表の米インフレ統計および連邦公開市場委員会(FOMC)の政策判断を控え、投資家に週内の株価変動に備えるよう促している。

JPモルガン・チェースのトレーディングデスクで米国マーケットインテリジェンス責任者を務めるアンドルー・タイラー氏によれば、アット・ザ・マネー・ストラドルとして知られる戦略(同じ権利行使価格と満期のコールとプットの同数購入)に基づくと、S&P500種株価指数は14日までにどちらかの方向に1.3-1.4%動くと示唆されている。これは5月の米消費者物価指数(CPI)およびFOMC会合結果を受けての動きを想定している。

タイラー氏と同氏のチームは10日付のリポートで、「CPIとFOMC金融政策判断が同じ日に発表されるため、CPIの結果がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容で覆される可能性がある」と述べた。

またシティグループの米株式トレーディング戦略責任者、スチュアート・カイザー氏によると、投資家はFOMC発表に伴う2023年3月以来の大幅な株価変動の可能性に備えている。

米CPIとFOMC、ダブルのボラティリティー要因に市場が備える

タイラー氏は変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIが前月比0.4%を上回る伸びとなれば、S&P500種は1.5-2%下落し、すべてのリスク資産に売り圧力がかかると予測する。ただ、このシナリオが現実となる可能性はわずか5%とみている。

JPモルガンのトレーディングデスクで最も有力なシナリオは、コアCPIの前月比0.3-0.35%上昇。この場合、CPI統計の内容次第でS&P500種は0.75%安から0.75%高が見込まれている。

原題:JPMorgan Warns of a Shock to Stock Market’s Calm From CPI, Fed(抜粋)

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