ディージェイディージェイ!【2】「これだと完全にコスプレですね」マンセルのレプリカヘルメットとF-1ジャケットのオーナー

AI要約

1980年代の若者をターゲットにしたアシといえば、1985年に登場したDJ・1が人気を集めました。その後、1986年にはF-1世界選手権コンストラクターチャンピオン獲得を記念して特別モデルが登場しました。

1987年式のDJ・1R F-1 Winning Specialはウィリアムズ・ホンダFW11のカラーリングをまとい、80年代のF-1ブームを象徴したモデルです。販売台数は少なかったものの、現在もかなり良好な状態で残っている個体のひとつです。

オーナーはウィリアムズ・ホンダのファンであり、このDJ・1Rを入手した際には外装の修復やデカールの自作など細かい作業を行い、さらにマンセルレプリカヘルメットをペイントしてコスプレを楽しんでいます。

ディージェイディージェイ!【2】「これだと完全にコスプレですね」マンセルのレプリカヘルメットとF-1ジャケットのオーナー

1980年代の若者のアシといえば原付スクーター。特に若者をターゲットにした「ナウい」スクーターこそ1985年登場のDJ・1。DJ・1が生産終了した後でもバリエーションを増やしていき、1986年にF-1世界選手権コンストラクターチャンピオン獲得を記念して登場したモデルが今回の取材車両だ。

【ハチマルモト 1987年式 DJ・1R F-1 Winning Special vol.2】

ベースとなったのはDJ・1Rで、メカニズムに変更はないが、カラーリングは完全にウィリアムズ・ホンダFW11そのもの。80年代のウィリアムズを象徴するイエロー/ブルー/ホワイトのカラーには、ICIやモービル1といったスポンサーロゴが入り、ファン垂涎のデザイン。F-1の人気が絶頂だった80年代後半ゆえ、リリースされた特別仕様車と言える。ただ、販売台数自体が少なく、現存しているのはわずかと思われる。しかしここで紹介する個体は、新車ほどとは言わないまでも、かなりのコンディションだ。

 オーナーはバイクにはそれほど興味はなかったが、80年代のF-1、とくにウィリアムズ・ホンダが好きだったこともあり某オークションで昨年入手。ただ、手元に来たときは走行可能な状態だったが、外装は傷だらけ。そこでオーナーは、ボディのリペアを実施した。フロントカウルは部分的に塗装し、両サイドは傷を埋めながらペイント。デカール類はすべて自作だ。さらに、コーションステッカーも製作するなど、とにかく芸が細かい。そして、ウイニング・スペシャルに乗るため、ヘルメットもN・マンセルレプリカにペイントしたというのだから恐れ入る。このウイニング・スペシャルとマンセルレプリカを見れば、オーナーがどれだけウィリアムズ・ホンダを愛しているか分かるだろう。

OWNER オーナーは、趣味でプラモデルやガレージキットなどを制作するモデラー。それだけに、樹脂製品の補修や塗装はお手の物。撮影時に着ていた「HONDA F-1」のワッペン付きブルゾンは、当時のF-1のエンジニアが実際に着ていたものを入手。そしてマンセルのレプリカヘルメットを被ってウイニング・スペシャルに乗れば、「これだと完全にコスプレですね」と話す。

主要諸元 SPECIFICATIONS

1987年式 HONDA DJ・1R F-1 Winning Special 全長×全幅×全高(mm) 1640×625×1015

ホイールベース(mm) 1170

エンジン形式・型式 空冷2サイクル・AF05E型

排気量(cc) 49

最高出力(ps/rpm) 6.0/6500

最大トルク(kg-m/rpm) 0.69/6000

変速機形式 オートマチック(Vマチック)

点火方式 CDI

フロントサスペンション トレーリング式ボトムリンク

リアサスペンション ユニットスイング式

タイヤサイズ 80/90-10 34J(前後とも)

燃料タンク容量(L) 3.0

乾燥重量(kg) 55

初出:ハチマルヒーロー 2017年9月号 Vol.43


(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)