1世帯あたりの消費支出、14か月ぶりプラス…「食料」はマイナスで依然強い節約志向

AI要約

4月の家計調査によると、消費支出は前年同月比0・5%増の31万3300円で、14か月ぶりのプラスだった。消費回復の兆しが見えるが、「食料」がマイナスとなるなど節約志向は依然強い。

夏物衣料や教育費が増加したが、野菜価格の高騰による「食料」支出の減少やダイハツ工業の影響による「交通・通信」支出の減少も見られた。

実収入は名目では増加したが、実質では減少し続けており、収入の増加が物価上昇に追いついていない状況が続いている。

 総務省が7日発表した4月の家計調査によると、1世帯(2人以上)あたりの消費支出は31万3300円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0・5%増だった。プラスとなるのは2023年2月以来、14か月ぶり。消費回復の兆しが見えるものの、「食料」がマイナスとなるなど、物価高に伴う節約志向は依然強いとみられる。

 気温が上昇したことで夏物衣料が好調で、「被服及び履物」が11・3%増だった。授業料や仕送り金など「教育」は25・9%増と大幅に増えた。コロナ禍に伴う大学の授業料減免措置が終わったことなどが影響したとみられる。

 一方、「食料」は2・7%減だった。価格が高騰する野菜などへの支出が減った。認証不正のあったダイハツ工業が一時、生産・出荷を停止した影響が残り、自動車購入を含む「交通・通信」は10・2%減だった。円安が響き、外国パック旅行費も減った。

 勤労者世帯の実収入は56万6457円で、名目で2・3%増だったものの、実質では0・6%減と19か月連続のマイナスだった。収入の増加が物価上昇に追いついていない状況が続いている。