なぜ日本は「IT後進国」になったのか…ひろゆき「カネと権力が高齢者に集中しているという日本の残念さ」

AI要約

日本の「IT後進国」化の背景をひろゆき氏の著書から紹介。

日本のIT産業が外国のサイトに負ける理由と、国産技術の逮捕事例を挙げて説明。

検索エンジンの違法問題が国産産業に与えた影響について述べる。

なぜ日本は「IT後進国」となってしまったのか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんの著書『税弱な日本人からふんだくるピンハネ国家の不都合な真実』(宝島社)より一部を紹介する――。

■ザッカーバーグが日本に生まれていたらどうなったか

 以前「ABEMA Prime」で、もし30年前に戻って日本を救うことができるとしたら何をしますか? というテーマで話し合ったことがあります。

 そのとき僕が考えたのは、根本的に日本を救うのは無理だということです。1人の天才がいて何かできたとしても、日本を変えることはできないと思いました。

 たとえばフェイスブック(メタ)を創立したマーク・ザッカーバーグが、30年前の日本に現れてフェイスブックのようなものを作ったとします。

 そこから日本のIT産業が大きく変わったかといえば、むしろ逆です。ザッカーバーグは、30年前の日本で逮捕されて終わりだと思います。

■ホリエモンは逮捕された

 なぜなら、今日本人が使っているコミュニティサイトのX(旧Twitter)や、フェイスブック、YouTubeなどは、すべて外国のサイトなのです。そのため、サイト上で起きたトラブルには日本の企業は直接関わることがありません。

 しかし、もしこれらが日本の会社だったら、そこで起きたトラブルは、そのコミュニティサイトを運営する会社の社長が悪いと言って、その会社を潰そうとする圧力が働くのです。

 その象徴的な例が、ライブドア事件におけるホリエモンこと堀江貴文氏の逮捕でした。

■「Winnyを作ったエンジニア」も逮捕された

 また、2023年には仮想通貨のステーブルコインの取引が日本でも認められるようになりましたが、そこで使われるブロックチェーンの先駆けとなるP2P(Peer to Peerの略。サーバーを介さずに端末同士で直接ファイルのやりとりを行う通信方式)の技術を開発したのが、日本のソフトウェアエンジニアの金子勇さんでした。

 金子さんは、映像や音声など、当時のメールやネットでの共有が難しかった大容量ファイルをやりとりするためにWinnyという技術を開発します。

 この技術を世界に広げていたら、今の仮想通貨のマーケットを取ることができたかもしれません。

 しかし金子さんは、Winnyにアップロードされたファイルの中に著作権違反のものも含まれていたという理由で、著作権法違反ほう助の疑いにより、逮捕されてしまいます。

 当時は、金子さんとWinnyがバッシングされるのはおかしいと言っている人が多数派でしたし、この事件が映画にもなりました。

■検索エンジンも「違法」

 このほか、検索エンジンに関しても、著作権法上、キャッシュを保存して表示するということが違法だということで、日本の場合は国産の検索エンジンを潰してしまいました。

 その結果、楽天グループが運営している「インフォシーク」や、NTTの「goo」などはGAFAMの仲間入りをすることはできませんでした。

 キャッシュ機能が使えないという手痛いハンデを課されたため、ユーザーは皆グーグルを使うことになってしまったのです。

 グーグルが日本中の検索エンジンとして使われるようになり、ヤフージャパンもグーグルの検索エンジンを使うようになりました。自ら成長の芽を摘んでしまったことが、その後、日本産業の低迷につながっていくのです。