京都駅の“大混雑”に拍車をかけているのは何者か? 京都市「観光特急バス」運行開始も、「地元民たまったもんじゃない」のホンネ

AI要約

京都市で市民が観光客と混雑するバスを避けるため、観光特急バスの運行が始まった。

観光特急バスは大量の観光客を市内の有名観光地に直行させることで、市民の利用とすみ分けを図っている。

観光特急バスは時間短縮や特定の観光地にしか停車しないことで、効率的な観光を提供している。

京都駅の“大混雑”に拍車をかけているのは何者か? 京都市「観光特急バス」運行開始も、「地元民たまったもんじゃない」のホンネ

 訪日外国人観光客の殺到で市民がバスに乗れない悩みが続く京都市で、観光特急バスの運行が始まった。市民と観光客の利用を分ける試みで、混雑解消は実現できるのだろうか。

「市民の生活を守りながら観光を楽しんでもらうことが観光都市京都の課題。この試みの成果を検証し、さらに前に進めていきたい」

初夏らしい青空が戻った6月1日朝、京都市下京区のJR京都駅烏丸口バス乗り場。あいさつに立った松井孝治市長の声が駅前に響く。

 開催されたのは、京都市バスのダイヤ改正に合わせてこの日から運行が始まった観光特急バスの出発式。東山区の花街・宮川町の舞妓(まいこ)ふく美代さんが観光特急バスの運転士に花束を贈ったあと、松井市長やふく美代さんらが乗り込んだ第1便が出発した。

 午前9時すぎには100人以上の観光客や市民が殺到し、積み残しが出たが、通常運行する一般系統のバスに割り振りするなどしてバス待ちの行列を解消する場面も見られた。京都市交通局は

「1、2の両日は全体にスムーズな運行ができたのではないか」

と見ている。清水寺に近い東山区の五条坂バス停留所でも1日の午前中、大きなトラブルもなく、順調に推移した。案内員の男性は汗だくで観光客や市民の案内をしながら

「混雑していることに変わりないが、春や秋の行楽シーズンよりは人出が少ないみたい」

と話していた。

 観光特急バスは2系統。京都駅前と五条坂を結ぶ便が1日16便、京都駅前から五条坂、東山区の祇園、左京区の平安神宮、銀閣寺などを結ぶ便が1日24便土日祝日に通年運行する。

 ともにバスで移動する訪日客が集中する区間で、市民からバスに乗れないという苦情が多い。観光用のバスを走らせ、市民の利用とすみ分けを図るのが狙いだ。

 所要時間は

・五条坂まで:10分

・祇園まで:13分

・銀閣寺前まで:24分

有名観光地にしか停車しないため、一般系統の五条坂15分、祇園21分、銀閣寺前44分より大幅な時間短縮になる。運賃は大人500円で、市内均一区間の大人230円の

「約2倍」

である。市民が使う定期券や敬老乗車証は使えないが、利用者の約9割を観光客が占める地下鉄・バス1日券は利用できる。国土交通省が2023年末、観光地行きの直行バスが届け出だけで運賃を変更できるよう道路運送法の施行規則を改正したのを受け、第1号適用事例となった。