観光特急バス、京都で運行始まる オーバーツーリズム対策

AI要約

京都市は観光特急バスの運行を始め、市バスの混雑緩和を図る

観光地が集まる東山地区を巡る2路線が運行開始

500円の運賃で多言語アナウンスを実施し、インバウンド需要に対応

観光特急バス、京都で運行始まる オーバーツーリズム対策

 京都市は1日、清水寺など主要観光地に限って停車する「観光特急バス」の運行を始めた。市民の足となっている市バスがオーバーツーリズム(観光公害)で過度に混み合うこともあり、混雑緩和につなげる。

 運行が始まったのは、観光地が集まる市内東部の東山地区を巡る2路線。JR京都駅から、五条坂(清水寺)、祇園、平安神宮前を経由して銀閣寺前と結ぶ「EX100」(1日24便)と、京都駅―五条坂の直行便「EX101」(1日16便)で、ともに土日祝日とお盆期間、年末年始に運行する。車内では、日本語、英語、韓国語、中国語の4言語でアナウンスする。

 通常の市バスであれば大人230円の均一運賃区間に該当するが、特急バスは一律500円。道路運送法施行規則の改正で、定期運行の観光路線の運賃を事業者の届け出で変更できるようになったことを受けて設定した。一般市民も同じ運賃で乗車できるが、定期券や回数券は使用できない。

 京都では新型コロナウイルス禍を経てインバウンド(訪日外国人)が回復。2023年秋以降、市バスを利用する市民から「観光客でいっぱいで乗れない」などの苦情が目立っていた。

 1日は京都駅前で出発式が開かれた。松井孝治市長は「観光客と市民の双方が生活を守りながら観光を楽しんでいただくため、利便性を高める取り組み。成果を検証し、さらに進めていきたい」とあいさつし、EX100に試乗した。【南陽子】