ジェットコースターやロープウェイが通勤車両に?…日本発の「新しい乗りもの」が、いま世界から注目を集めているワケ

AI要約

エコライドとZipparは都市部の交通需要に応える新しい通勤鉄道のフォーマットとして開発された。

建設費用や運転コストを抑えつつ、高架鉄道として道路上の空間を活用することで需要にマッチしている。

日本だけでなく、世界の都市部でも導入が検討されており、今後さらなる普及が期待されている。

ジェットコースターやロープウェイが通勤車両に?…日本発の「新しい乗りもの」が、いま世界から注目を集めているワケ

 鉄道を敷いて渋滞を解消したいけど、高架鉄道や地下鉄を通すほどの需要は見込めず、かといって路線バスではさばき切れない。そんな「路線バス以上、鉄道以下」の移動需要に応えるべく、建設費用・ランニングコストをほどほどに抑える交通手段はないものか? そのような悩みを抱える都市は、日本に限らず世界中に点在する。

 近年、そんな都市のニーズにピタリと応える通勤鉄道のフォーマットが、日本で相次いで開発された。メイド・イン・ジャパンの「エコライド」、「Zippar」への注目度は高く、いずれ日本のみならず、世界の各都市で見られるようになるかもしれない。

 東京大学・泉陽興業が開発したエコライド、慶応大学の学生ベンチャーに端を発するZipparは、ともに道路上の空間活用を想定した高架鉄道として想定されている。建設費用は地下鉄・高架鉄道の1/10以下(キロあたり15億~25億円程度)で済み、簡易な軌道・高架の仕様や運転士いらずの自動運転で、維持費用もある程度安く済むだろう。

 2陣営ともすでに実験線での走行試験を行い、エコライドは上野動物園のモノレール(東京都交通局上野懸垂線)の後継として、すでに採用が内定している。Zipparも国内では沖縄県豊見城市・北海道石狩市、海外ではネパール・ポカラ市などで導入が検討されており、各地で成功を治めれば……世界の都市部への爆発的な普及は、あながち夢物語ではない。

 これまで国内の鉄道関連の開発は、膨大な資金力・技術力を持つ鉄道会社や、東芝・日立・川崎などの大手企業に限られていた。その中で、比較的コンパクトな開発チームが作り上げた2陣営の鉄道は、なぜ各地で鉄道建設の候補に上がり、具体的な話し合いが進んでいるのか。

 その秘密を探るべく、エコライド・Zipparの鉄道としての実力を比較してみた。すると、高度な技術にこだわりがちな日本らしからぬ、意外なセールスポイントが浮かび上がった。