財政収支の来年度黒字化目標を維持へ 政府「骨太の方針」に盛る方向

AI要約

政府は来年度に黒字化するとの目標を維持する方向で調整しており、自民党内で意見が分かれていたが折り合いがついた。

基礎的財政収支(PB)は、新たな借金に頼らず税収などで政策経費をまかなえるかを示す指標であり、2025年度には1.1兆円の赤字が見込まれている。

昨年の骨太で、金利上昇による国債利払い費の増加が議論されていたが、財務省は社会保障費の抑制で黒字化を可能と主張している。

財政収支の来年度黒字化目標を維持へ 政府「骨太の方針」に盛る方向

 財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)について、政府は来年度に黒字化するとの目標を維持する方向で調整していることがわかった。PBをめぐっては、目標を堅持したい自民党の財政再建派と、それに反発する積極財政派との間で意見が分かれていたが、折り合ったもようだ。政府が月内にまとめる今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」にも盛り込む方針だ。

 PBは、社会保障や公共事業など様々な行政サービスにかかる政策経費を、新たな借金に頼らず税収などでまかなえるかを示す指標。内閣府が1月に公表した試算では、2025年度のPB収支は仮に高い経済成長が実現した場合でも1.1兆円の赤字を見込む。

 昨年の骨太では、日本銀行の金融政策の変更に伴う金利の上昇でPBに含まれない国債の利払い費の増加が見込まれるなか、新たな目標を設定する可能性にも言及していた。一方、財務省は社会保障費の歳出抑制などに努めれば、来年度の黒字化は可能だとして、目標の堅持を訴えてきた。