米中「パンダ外交」復活の兆し ワシントンの動物園に年内2頭貸与へ

AI要約

米国内でのパンダの貸与が中国との関係改善の兆しとなっている。

ワシントンのスミソニアン国立動物園は新たに2頭のパンダを中国から迎え入れることを発表。

中国がパンダ外交を継続する意向を示し、パンダ不在を回避する取り組みが進行中。

米中「パンダ外交」復活の兆し ワシントンの動物園に年内2頭貸与へ

 米首都ワシントンのスミソニアン国立動物園は29日、年末までにジャイアントパンダ2頭を中国から新たに迎えると発表した。この動物園では2023年11月に3頭を中国に返還し、パンダ不在になっていた。今年4月には西部カリフォルニア州サンディエゴの動物園が25年に2頭を受け入れることも決定。安全保障や経済で緊張が続く米中関係だが、「パンダ外交」には復活の兆しが出ている。

 国立動物園の発表によると、新たに貸与されるのは2歳のオスのバオ・リーとメスのチン・バオ。繁殖に成功した場合、子供のパンダは4歳までに中国に引き渡す条件になっている。貸与期間は34年4月までで、動物園側は年間100万ドル(約1億5700万円)を中国側に支払う。

 米国では南部ジョージア州アトランタで4頭のパンダが飼育されているが、年内に中国に返還予定のため、国内でパンダが不在になる可能性があった。しかし、23年11月に訪米した中国の習近平国家主席が「パンダ外交」を継続する意向を表明し、新規の貸与が相次いで決定。アトランタの4頭が中国に返還されるまでにワシントンに2頭が引き渡されれば、パンダ不在は回避されることになる。【ワシントン秋山信一】