【社説】中国、韓日中首脳会談にまで灰をまく北朝鮮の実態を直視すべき

AI要約

韓日中の首脳が昨日、3カ国首脳会談で協力の重要性を強調したが、北朝鮮の核問題には具体的解決策が見出せなかった。

中国が北朝鮮に対してより強い姿勢を示す必要があり、韓国は国際社会でのリーダーシップを発揮する機会に立っている。

北朝鮮の威嚇行動に対し、中国やロシアが明確な対応を取らなければ、地域の安全保障が脅かされる恐れがある。

【社説】中国、韓日中首脳会談にまで灰をまく北朝鮮の実態を直視すべき

韓日中の首脳が昨日、3カ国首脳会談で「韓半島(朝鮮半島)と北東アジアの平和・安定・繁栄が共同の利益であり共同の責任」ということに合意した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と日本の岸田文雄首相、中国の李強首相は昨日の3カ国首脳会談で3カ国間協議体運営の制度化などを含む38項目の共同宣言を発表した。

しかし関心を集めた北朝鮮の核問題に関しては期待に及ばなかった。「我々は域内の平和と安定、韓半島非核化、拉致被害者問題に対する立場をそれぞれ再強調した」というのが全部だ。会談を控えて韓日両国では「韓半島非核化は共同の目標」という文言が共同宣言の草案に含まれたという話が出ていた。中国の反対で最後にこの表現が抜けたのだ。3カ国首脳が会談後の記者会見でも、尹大統領と岸田首相が韓半島の安定のために北朝鮮の非核化に言及した半面、李強首相は「韓半島問題の政治的解決」「関連側の自制」を注文した。安保脅威の原因を提供した北朝鮮に対する警告どころか、韓日の自制を要求するような姿を見せたのだ。

北朝鮮は昨日の会談の10時間前に軍事偵察衛星を打ち上げると予告した。「北朝鮮が韓日中協力の亀裂を狙って会議に灰をまくために挑発を予告した」という分析が出てきた。こうした場面を現場で目撃した中国の李強首相のこうした消極的な立場は、国際社会の責任ある国家の姿とはいえない。中国が北朝鮮の核・ミサイル活動と韓米連合訓練を同時に中断すべきという「双中断原則」を堅持するとしても、昨日の状況は明らかに違う。北朝鮮の弾道ミサイル技術を適用した発射体の活用を禁止した国連安保理の決議には中国も賛成した。

北朝鮮は最近、ロシアと密着してさまざまな方法で北朝鮮制裁を崩そうとしている。ロシアが国連の専門家パネル活動期間の延長に反対し、「北朝鮮監視の目」機能も消えた。さらに中国まで北朝鮮をかばい続ければ北朝鮮の誤った判断を招くだけだ。中国はこうした厳しい北東アジアの現実を認識し、北朝鮮の非核化に誠意を見せることを望む。2003年、北朝鮮の核問題解決のための6カ国協議開催に北朝鮮が応じない中、原油供給を中断して北朝鮮を圧迫しながら会談を実現させた中国ではないのか。

韓国は1月から国連安保理非常任理事国として活動を始めた。また来月1日からは安保理議長国を務める。安保理議長国として韓半島、さらに北東アジアの平和と安定、繁栄のための役割を我々が主導的に見いだすべき機会だ。専門家パネルに代わる組織を作って国際社会を参加させ、北朝鮮の「疾走」にブレーキをかけることが議長国・韓国の役割でなければいけない。