WHO総会開幕 交渉難航する「パンデミック条約」などを協議

AI要約

WHOの総会が開幕し、新型コロナウイルス禍を教訓としたパンデミック条約の交渉について協議が行われる。

加盟国間で技術移転やワクチン配分に関する対立があり、条約採択が困難に。

WHO非加盟の台湾が総会にオブザーバー参加する招待状が届いていない。

【パリ=板東和正】世界保健機関(WHO)の総会が27日、スイス・ジュネーブで開幕した。6月1日まで開催し、新型コロナウイルス禍を教訓として感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定める「パンデミック条約」を巡る今後の交渉について協議する。

WHO加盟国によるパンデミック条約の交渉を巡っては、ワクチン開発の技術移転や公正な配分で先進国と途上国間の意見が対立。加盟国は同条約の条文案について目標の24日までに合意できず、当初想定していた今回の総会での条約採択は困難になった。

WHOのテドロス事務局長は24日の声明で「交渉に大きな進展はあったが、克服すべき課題がまだある」とした上で、総会で今後の交渉についての議論を活性化する意向を示した。総会では、パンデミックを引き起こす恐れのある新たな感染症の最新情報について共有される可能性がある。

また、WHO非加盟の台湾には総会にオブザーバー参加をするための招待状が現時点で届いていない。中国の圧力が原因とみられる。ロイター通信などによると、米国、英国、日本などが24日、総会に台湾が参加できるよう求めた。