UNRWAがラファでの食料配給を停止…情勢悪化・支援物資不足で「人道支援はほぼ崩壊」

AI要約

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエル軍の激しい攻撃が続くガザ最南部ラファでの食料配給を停止した。支援物資不足や情勢悪化が原因で、飢饉の恐れがあるという。

支援物資の輸送量が激減しており、WFPも備蓄物資が底をつき、ラファでの配給を停止。ガザ中部でも備蓄がなくなる危険性が高まっている。

医療物資も届かず、UNRWAの保健センターの一部が稼働停止状態。人道支援がほぼ崩壊状態で、緊急な支援物資の供給が求められている。

 【カイロ=田尾茂樹】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は21日、イスラエル軍の激しい攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの食料配給を停止したと明らかにした。情勢悪化や支援物資不足が原因と説明している。

 ガザでは、イスラエル軍が5月上旬にラファ検問所を制圧し、攻勢を強めてから支援物資の搬入量が激減している。AP通信によると、世界食糧計画(WFP)も備蓄物資が底をつき、ラファでの配給を止めた。ガザ中部では配給量を減らして継続しているが、数日中に備蓄がなくなるという。

 WFPの報道官は「ガザでの人道支援はほぼ崩壊している」と語り、ガザへの大量の食料搬入が再開されなければ、「飢饉(ききん)のような状況が拡大する」と訴えた。

 UNRWAによると、ラファ検問所閉鎖などの影響で医療物資もこの10日間、届いておらず、UNRWAの保健センター24か所のうち、稼働しているのは7か所にとどまるという。