ロシア、戦術核演習を開始 弾頭を発射機に装填 欧米やウクライナ威圧

AI要約

ロシア国防省は非戦略核兵器の演習を開始

演習はウクライナへの威圧と抗戦断念を狙い

演習ではイスカンデルやキンジャルの訓練が行われる

ロシア、戦術核演習を開始 弾頭を発射機に装填 欧米やウクライナ威圧

ロシア国防省は21日、非戦略核兵器(戦術核兵器)の発射準備や使用の実践的習熟に向けた演習の第1段階を開始したと発表した。演習はプーチン大統領の指示によるもので、ウクライナに接する露南西部を管轄する南部軍管区で実施されているとした。

戦術核は戦略核より小型で威力が低く、局所的な戦場での使用を想定した核兵器。ウクライナ侵略を続けるロシアは、核を実戦使用する可能性を示唆してウクライナを支援する欧米諸国を威圧するとともに、ウクライナに抗戦を断念させる思惑だとみられる。

露国防省によると、演習の第1段階では、地上配備型の短距離弾道ミサイルシステム「イスカンデル」への特殊弾頭の装塡(そうてん)のほか、ミサイルの発射に向けてイスカンデルを特定地域まで隠密裏に移動させる訓練を実施する。特殊弾頭とは戦術核弾頭を指すとみられる。

また、演習には露航空宇宙軍も参加。特殊弾頭が装填された空中発射型の極超音速ミサイル「キンジャル」を搭載した航空機を指定空域まで飛行させる訓練も実施されるとした。

露国防省は演習の目的について「非戦略核を運用する部隊の臨戦態勢を維持し、ロシアに対する欧米当局者の挑発的な発言や脅威から国家の主権と領土的一体性を守ることだ」と主張した。

非戦略核の演習は露国防省が6日に実施を予告し、準備を開始したと発表していた。