「民主主義世界のMVPに」台湾の頼総統就任演説 併合の野望、中国に対話呼びかけ 安倍昭恵さんとも懇談「日台で地域繁栄」

AI要約

頼清徳総統の就任式には、国内外から多くの要人が参加し、頼氏は民主主義と平和を強調し、中国に対話を呼びかけた。

中国の台湾への圧力が強まる中、頼氏は中国に対し平和的なアプローチを求め、台湾の民主主義を強化し、台湾の安全を確保する決意を示した。

安倍氏との関係についても触れられ、頼氏は日本とのパートナーシップを強化し、自由と民主主義を追求しながら地域の繁栄に貢献する意向を示した。

「民主主義世界のMVPに」台湾の頼総統就任演説 併合の野望、中国に対話呼びかけ 安倍昭恵さんとも懇談「日台で地域繁栄」

台湾の頼清徳総統の就任式と関連行事には、外交関係を持つ12カ国のほか、日本や米国、英国、カナダ、欧州連合(EU)欧州議会など、海外から51団体の500人超が参加した。頼氏は20日の就任演説で、民主主義と平和の重要性を強調し、「台湾併合」への野望を燃やす中国にも対話を呼びかけた。安倍晋三元首相をはじめ日本とも関わりの深い頼氏は安倍氏の妻、昭恵さんと懇談して、日本との協力関係をアピールした。

「私は民主的な統治を実践し、開かれた政府を確立します」「民主主義の回復力を強化し、課題に対処し、台湾が民主主義世界のMVP(最優秀選手)になれるよう協力していきます」

頼氏は就任式で、こう述べた。

中国には、「台湾に対する政治的、軍事的威嚇をやめ、台湾海峡の平和と安定を維持するという世界的な責任を台湾と共有し、世界が戦争の恐怖から解放されることを保証するよう呼びかけたい」と平和的なアプローチを求めた。

ただ、習近平国家主席率いる中国は圧力を強めている。

頼氏は、国民に向けて、「平和の理想を追求するにあたり、いかなる幻想も抱いてはならない。中国が台湾に対する武力行使の放棄を拒否する限り、たとえ、われわれが中国の立場を全面的に受け入れ主権を放棄したとしても、台湾併合という中国の野望は簡単に消えるわけではないことを私たち全員が理解すべきだ」と呼びかけた。

頼氏は就任式終了後、各国からの招待客と精力的に交流を図った。

その一人が昭恵さんだ。頼氏は2022年7月に安倍氏が凶弾に倒れた直後に副総統として緊急来日し、安倍氏の自宅を弔問に訪れた。

安倍氏は生前、台湾を重視して日台関係の発展に取り組んだ。東日本大震災後、多額の援助をしてくれた台湾に対し、コロナ禍で日本政府によるワクチン寄付を実現させた。「台湾有事は日本有事」と断言した。

台湾を訪れた作家でジャーナリストの門田隆将氏は20日夜、自身のX(旧ツイッター)で、「晩餐(ばんさん)会で〝安倍晋三〟という政治家がいかに世界の自由と民主主義に貢献したかステージで滔々と語り『ここに安倍さんがいるかのようです』と昭恵さんに語りかけた」と伝えた。

昭恵さんもXで、「(頼氏の)あたたかいお言葉に涙が出ました…」と謝意を示した。

頼氏はXで、日本との関係について、「私たちは助け合いながら堅実なパートナーシップを築いてきました。今後も交流を深め、自由と民主主義を追求しつつ地域の繁栄に貢献できるよう願っています」と投稿した。