元投資家、ボウスキー氏が死去 米映画「ウォール街」のモデル

AI要約

アイバン・ボウスキー氏が自宅で死去した。元投資家で、大規模な取引で成功を収めたが、インサイダー取引の疑いで摘発された。

ボウスキー氏は1937年に生まれ、資産家の妻の支援で投資業を始めて成功を収めたが、SECによる摘発で1億ドルの罰金を納めることになった。

服役後は資産を失いながらも再婚し、カリフォルニア州で静かな晩年を過ごしていた。

元投資家、ボウスキー氏が死去 米映画「ウォール街」のモデル

 1987年にヒットした米映画「ウォール街」に登場したカリスマ投資家ゴードン・ゲッコー役(演者はマイケル・ダグラスさん)のモデルになった元投資家アイバン・ボウスキーさんが20日、西部カリフォルニア州の自宅で死去した。米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。87歳。企業買収や株取引で財を成し、最盛期には30億ドル(現在の価値で87億ドル=約1兆3600億円)相当の取引を手がけていたが、86年に内部情報を基に不正に利益を得たインサイダー取引の疑いで摘発された。

 報道によると、1937年に中西部ミシガン州デトロイトで生まれた。父親はロシア出身のユダヤ人移民だった。資産家だった妻の実家の支援で投資業を始め、借入金を元手に大規模な取引で成功を収めたが、証券取引委員会(SEC)にインサイダー取引で摘発され、不当利益を含めて当時最高額の1億ドルの罰金を納めた。

 服役後、築いた資産は失っていたが、離婚した際に妻の資産の一部を受け取る権利を得て、カリフォルニア州に家を構えた。再婚して再び家庭を築き、静かな晩年を過ごしたという。【ワシントン秋山信一】