「強欲は悪くない」、ボウスキ-氏死去-80年代ウォール街の象徴的存在

AI要約

名声と富を手にし、インサイダー取引事件で有罪となり実刑判決を受けたアイバン・ボウスキ-氏が死去した。

ボウスキ-氏は企業買収で巨額を稼ぎ、投機家の典型として知られたが、インサイダー取引への関与が露呈し、刑務に服した。

彼の事件はウォール街や米国全体に衝撃を与え、『ウォール街』のゴードン・ゲッコーのモデルとされるほどの影響を残した。

(ブルームバーグ): 1980年代に飛ぶ鳥を落とす勢いの裁定取引名手として名声と富の頂点を極めながら、時代を象徴するインサイダー取引事件の証券詐欺で有罪となり、実刑判決を受けたアイバン・ボウスキ-氏が死去した。87歳だった。

娘のマリアンヌ・ボウスキ-氏からの情報として、米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。詳細は明らかになっていない。

ジャンク債ブームが敵対的買収の波をあおっていた当時、ボウスキ-氏は企業買収への賭けで巨額を稼ぎ、抜け目ない投機家の典型となった。インサイダー取引への関与を認めた同氏はウォール街の強欲を象徴する存在となり、「イワン雷帝」という見出しとともに『タイム』誌の表紙を飾った。同氏は2年間の刑務に服した。

ボウスキ-氏事件はウォール街だけでなく、米国全体に衝撃を与え、資本市場の機能について一部の投資家が最も恐れていたことを裏付けた。1987年の映画『ウォール街』で俳優マイケル・ダグラス氏が演じたゴードン・ゲッコーのモデルになったと言われている。映画の中でゲッコーが「強欲は善」と断言するスピーチは、ボウスキ-氏自身の見方と呼応していた。

転落から数カ月前の1986年、同氏はカリフォルニア大学バークレー校経営大学院の卒業式で「強欲であることに問題はない。強欲は健全なものだと知ってほしい。強欲であっても、誇らしい気持ちになれる」と述べた。

原題:Ivan Boesky, Imprisoned in Insider-Trading Scandal, Dies at 87(抜粋)

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