全面禁輸措置緩和 ホタテ業者「まだ一喜一憂できない」

AI要約

東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に伴い、日本海水産物の中国への輸出が再開される見通しとなる。

北海道のホタテ漁業者は輸出再開を歓迎する一方、1年以上にわたる禁輸措置に疲弊している。

北海道水産業界では輸出再開が本当に確実か不安視する声もあり、漁協関係者は冷静な反応を示している。

全面禁輸措置緩和 ホタテ業者「まだ一喜一憂できない」

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、全面禁輸されていた日本海水産物の中国輸出が再開される見通しだ。日中両政府は20日、全面禁輸措置を緩和することで一致した。ただ、1年間翻弄(ほんろう)されてきた北海道のホタテ業者から上がるのは、歓迎の声だけではない。

 最盛期を迎えているホタテ漁。北海道の加工業者や販売会社は「輸出再開を期待してきたし、そうなればありがたい」と歓迎する。北海道水産物加工協同組合連合会の斉藤貢専務理事は「中国と歩調を合わせていたロシアも追随してくれたら」と話す。

 ただ、禁輸決定から1年以上。地元の漁協では「さんざん振り回されてきた」という思いが根強い。ある漁師は「何を今さら、という思いもある」と話す。漁協関係者は「これで本当に輸出再開となるのか。確定するまで一喜一憂できない」と冷静だ。