ビッグカット、米国が脱緊縮開始…韓銀も来月の利下げ方向指示(1)

AI要約

FRBが30カ月ぶりに政策金利を0.5%引き下げる「ビッグカット」を実施し、通貨政策を緊縮から緩和に転換した。

FRBはインフレが持続的に2%に向かっていると判断し、雇用市場の冷え込みを防ぐための先制措置として利下げを行った。

市場はFRBのビッグカットを受けて株価が一時的に上昇したが、急激な利下げが期待されない状況となっている。

ビッグカット、米国が脱緊縮開始…韓銀も来月の利下げ方向指示(1)

米連邦準備制度理事会(FRB)が2年以上続けてきた「インフレ(物価上昇)との戦い」に終止符を打った。18日(現地時間)、政策金利を一度に0.5%引き下げる「ビッグカット」で30カ月ぶりに通貨政策を緊縮から緩和に転換(ピボット)しながらだ。韓国銀行(韓銀)も来月、利下げ行列に参加するという見方が出ている。

FRBはこの日、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で従来の年5.25-5.5%だった政策金利を4.75-5%に引き下げると明らかにした。12人の委員のうち一人を除いた11人がビッグカットに賛成票を投じた。利下げは新型コロナが大流行した2022年3月以来4年6カ月ぶり。過去最大の2%ポイントまで広がっていた韓国(3.5%)と米国の金利差は最大1.5%ポイントに縮まった。

FRBは声明で「FOMCはインフレが持続的に2%に向かっているという大きな自信を得た。雇用とインフレ目標に関するリスクは概して均衡にいたったと判断する」と明らかにした。フィナンシャルタイムズ(FT)は「(通貨政策)緩和時代の開始を知らせた」と評価した。

物価高を抑えるためにFRBは2022年3月から金利を攻撃的に引き上げた。22年ぶりの最高水準にまで上がった金利は昨年7月から1年以上も据え置かれた。FRBの総力戦で消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同期比)は2022年6月の9.1%から今年8月には2.5%に下がった。FRBが30カ月ぶりにピボットに踏み切った理由だ。

市場はFRBがビッグカットを選択したのは雇用市場の冷え込みを防ぐための先制措置と解釈している。政策決定文で雇用増加傾向は従来の「緩和(moderated)」という表現が「鈍化(slowed)」に変わった。ジェローム・パウエルFRB議長は記者会見で「解雇が増え始めればあまりにも遅い。労働市場が良い時に利下げで対応しなければいけない」とし「通貨政策の適切な再調整は雇用市場の好調維持に役立つだろう」と話した。

FRBが利下げの扉を開いたが、市場は速度をさらに上げるとは見ていない。FRBは点図表(金利見通し)で今年末の政策金利を4.4%(中間値)と提示した。年末までの残り2回(11月、12月)のFOMC会議で追加で約0.5%ポイント引き下げる見通しということだ。来年は1ポイントの追加利下げを予告した。

ビッグカットを受け、ダウ平均、S&P500など株価は取引場で過去最高値を更新したが、それぞれ0.25%、0.29%の下落に転じた。「利下げを急がない」というパウエル議長の発言が市場に失望感を与えた。またFRBがビッグカット決定をするほど経済が予想より速く鈍化しているという懸念も投資心理に反映された。米国の主要投資銀行は今後ビッグカットが続くという期待を遮断したという点で「タカ派的ビッグカット」と評価した。