容疑者「我々も責任の一端を」“支持”から一転“批判”…トランプ氏再び暗殺未遂か

AI要約

トランプ前大統領が再び暗殺未遂の標的にされ、ゴルフ場での事件が起こった。暗殺計画の兆候があったが、シークレットサービスにより男が拘束された。

拘束された男は以前はトランプ支持者だったが、最近は批判的な姿勢を見せており、ウクライナ情勢に関心を示していた。過去にも逮捕歴があり、トランプ氏への暴力にいたった可能性が報じられている。

ラウス容疑者は自費出版した本で様々な世界情勢の悪化を指摘し、自らもトランプ氏への責任を感じている。暴力への手段にいたった経緯が明らかになっている。

容疑者「我々も責任の一端を」“支持”から一転“批判”…トランプ氏再び暗殺未遂か

トランプ前大統領が再び暗殺未遂の標的にされたとして騒然となっています。トランプ氏がゴルフをプレー中、近くでライフルを構えていたとして拘束された男は、以前は支持者でしたが、最近はトランプ氏への批判を繰り返していました。

フロリダ州にトランプ氏が所有するゴルフコース。休暇のたびに本人も訪れる場所であり、安倍元総理など国外の要人も招かれてきた場所です。そんな場所で今回の事件は起きました。

トランプ氏のプレー中、フェンスの外に銃を構えた男を発見したため、警護するシークレットサービスが発砲したといいます。

そのフェンスには、つり下げられたカバンが2つ。その間に照準器が付いたアサルトライフルが1つ。カバンの中にはセラミックの板が入っていたといいます。2枚の防弾の盾を並べ、その間から銃撃。そんな暗殺計画だった可能性があります。トランプ氏までの距離は、400メートルほどだったといいます。

現場から逃走した男は、少し離れた高速道路上で確保されました。ライアン・ラウス容疑者(58)です。

パームビーチ郡保安官

「(ゴルフ場近くで)我々は目撃者を見つけ『茂みから男が出てきて、黒の日産車に飛び乗った』『車とナンバーの画像を撮った』という証言を得られた。現場には目撃者が同行し、茂みから出てきた男と同一人物であることを確認した」

FBIはラウス容疑者がトランプ氏の暗殺を試みたとみています。

現地メディアではラウス容疑者の様々な経歴が報じられています。過去に何度か逮捕歴があること。かつては民主党の関連団体に寄付をしていたが、8年前の大統領選ではトランプ氏に投票していたこと。しかし、最近はトランプ氏を批判する投稿ばかりだったことなどです。

ラウス容疑者が強い関心を寄せていたのがウクライナ情勢です。全面侵攻開始から2カ月後のキーウに、ラウス容疑者の姿がありました。

ライアン・ラウス容疑者(2022年4月)

「プーチンはテロリストであり、止めねばなりません」

当時、ウクライナまでやってきた理由をこう語っていました。

ライアン・ラウス容疑者(2022年6月)

「当初の目的は戦うことでした。性別や年齢に関係なく、全世界の人間がここに来て、ウクライナ人や軍を支援すべきだと思います。私が現在56歳で『軍の経験ゼロ』と申告すると『我々の求める人材ではない』と断られたので、キーウで人集めに協力しようと思いました」

義勇兵として戦いに来たものの、参加させてもらえなかったため、戦闘員を募る活動をしたいと考えていたようです。しかし、それもうまくいかなかったと、去年自費出版した本で、彼自身が語っています。

ラウス容疑者著『ウクライナの勝てない戦争』

「私はウクライナのために、自分の持てる限りのやる気とエネルギーを注ぎ込んだが徒労に終わった」

本の中では、様々な世界情勢が悪化した要因にトランプ氏を挙げ、彼に投票した自分自身にも責任があるとつづっています。そんな思いをこじらせた結果、暴力という手段にいきついたのでしょうか。