容疑者を拘束、ゴルフ場近くに自動小銃 トランプ氏再び暗殺未遂か

AI要約

トランプ前米大統領が滞在していたフロリダ州のゴルフ場で暗殺未遂事件が発生。シークレットサービスが銃を持った人物を発見し発砲。トランプ氏は無事でけがはなかった。

FBIが容疑者を拘束し捜査を始め、トランプ氏がいたゴルフコース近くで銃器とビデオカメラが発見される。最終的に容疑者は武装しておらず拘束された。

事件後、トランプ氏は安全面の確認をした上で、その後の行動をとり、バイデン大統領やホワイトハウス関係者からの心配の声も寄せられた。

容疑者を拘束、ゴルフ場近くに自動小銃 トランプ氏再び暗殺未遂か

 トランプ前米大統領が滞在していた米南部フロリダ州のゴルフ場で15日、大統領警護隊(シークレットサービス)が銃を持った人物を見つけて発砲した。コースにいたトランプ氏にけがはなかった。米連邦捜査局(FBI)は暗殺未遂事件の可能性があるとして捜査を始めた。トランプ氏は2カ月前にも銃撃されたばかり。大統領選が約50日後に迫る米国を再び政治暴力の暗い影が覆った。

 FBIと地元の保安官事務所などは記者会見を開き、事件に関与したとみられる容疑者を拘束したと発表した。容疑者が実際に発砲したかは明らかにされていない。複数の米メディアは、逮捕されたのはライアン・ラウス容疑者(58)だったと報じた。

 発表によると、トランプ氏がゴルフをしていたコースで、敷地の境界に近い茂みから銃身が突き出ているのを見つけた大統領警護隊が発砲。スポーツタイプ多目的車(SUV)で逃走した男性を保安官事務所が拘束した。

 ゴルフコースの現場近くでは、照準器付きの自動小銃と小型のビデオカメラ、二つのかばんが見つかり、押収された。トランプ氏からの距離は約270~460メートルだった。拘束時には武装していなかったという。

 米FOXニュースによると、トランプ氏らは当時5番ホールにおり、「パン、パン」という音が聞こえた直後に警護隊員がトランプ氏に覆いかぶさって守ったという。

 トランプ氏は支持者向けのメールで「私の近くで銃声があったが、うわさが暴走する前に聞いてほしい。私は安全で元気だ」と報告。「私は決して屈しない」と強調した。米メディアによると、トランプ氏は安全が確認されると、ゴルフ場から数キロ離れた私邸「マララーゴ」に戻った。

 ホワイトハウスは15日、バイデン大統領はトランプ氏の無事を伝える報告を受け、安堵(あんど)しているとの声明を発表。トランプ氏の安全を引き続き確保するために必要なあらゆる資源を投じるよう大統領警護隊に指示した。ハリス副大統領は声明で政治的暴力を非難し、「この事件がさらなる暴力につながらないよう、私たちすべてが役割を果たすべきだ」とした。

 米ニューヨーク・タイムズによると、ラウス容疑者は過去にソーシャルメディアへの投稿で、ウクライナでロシアとの戦いに加わることを志願し、「死ぬこともいとわない」などと書き込んでいた。

 トランプ氏は7月、東部ペンシルベニア州バトラーで戦説中に銃撃を受けて右耳を負傷した。容疑者は射殺され、FBIは別の暗殺未遂事件として捜査している。【ニューヨーク八田浩輔】