事前投票直前に「トランプ氏暗殺未遂」…無党派層に影響か

AI要約

トランプ前大統領に2度目の暗殺未遂事件が発生し、50日後の米大統領選挙に影響が懸念されている。

容疑者が逮捕された今回の事件は、真相が明らかになれば大統領選挙に影響を及ぼす可能性がある。

事件は事前投票手続きが進行する時期に起きたことも注目されており、トランプ氏とハリス副大統領の支持層結集に影響がある可能性がある。

事前投票直前に「トランプ氏暗殺未遂」…無党派層に影響か

米国共和党大統領候補のトランプ前大統領に2度目の暗殺未遂事件が発生し、50日後に迫った米大統領選挙状況にいかなる影響を及ぼすかに関心が集まっている。

今回の事件は、7月13日にトランプ氏のペンシルベニア州バトラー野外演説中に発生した銃撃暗殺未遂に続いて2カ月ぶりに発生した事件だ。暗殺の動機や背後がまだ正確に確認されず予断できない状況だが、逮捕された容疑者を捜査する過程で真相が表れれば、接戦が予想される大統領選挙に影響を及ぼすとみられる。

7月にバトラーで発生した事件はトランプ氏の演説中に発生し、事件当時に現場で犯人が秘密警護局(SS)の対応射撃を受けて死亡したため、具体的な犯行の動機・背景などはまだ不明だ。

しかし今回の事件は容疑者が現場で逮捕されただけに、事件の全貌が明らかになる場合、大統領選挙政局で投票に少なからず影響を及ぼすという分析が出ている。これに関連し共和党所属のロン・デサンティス・フロリダ州知事は「州政府が今回の事件を独立的に調査する」と述べた。容疑者のライアン・ウェズリー・ラウス(58)を相手にした連邦捜査局(FBI)の事件経緯調査とは別に、フロリダ州政府が真相調査をするが、これは今回の事件の調査で少しでも不透明な点を残してはならないという意志が反映されたものと解釈される。

特に今回の事件は、6日にノースカロライナ州が不在者郵便投票用紙の発送を始めるなど事前投票手続きが進行する状況で発生したという点で注目される。大統領選挙まで残り50日となった16日には、今回の大統領選挙で注目される激戦州ペンシルベニア州で事前投票手続きが始まる。

7月13日に発生した暗殺未遂事件は、2日後に開かれた共和党全国大会(7月15-18日)に影響を及ぼし、トランプ大統領支持勢力を強く結集させた。10日の大統領選挙テレビ討論会で「判定負け」の評価を受けて守勢に追い込まれるようだったトランプ氏は、今回の事件を局面を反転させる機会として活用する可能性がある。2回の銃撃にもかかわらず健在を誇示し、まだ支持候補を決めていない無党派の浮動層に「米国を引っ張る強靭な指導者」としてアピールし、自身への投票を訴える戦略を使うと予想される。

トランプ氏は15日の事件の直後、自身の選挙資金募金サイトを通して「恐れてはいけない。私は無事であり健康で負傷もない」とし「私は皆さんのために戦うことをやめず、決して屈することはない」と述べた。続いて「我々は米国をまた偉大にする」とし、支持者に選挙資金の募金を促した。

ただ、野外演説中の銃撃で耳から血を流しながら「ファイト」と叫んで強い印象を残した7月のバトラー事件と違い、今回は公的な行事でなく個人所有のゴルフ場でゴルフをしている中で暗殺未遂が事前に発覚したという点で、波及効果が当時とは異なるという声も出ている。また今回の事件がトランプ氏の支持層を繰り返し結集させる場合、その反作用として逆に民主党大統領候補であるハリス副大統領の支持層結集を呼ぶ可能性も排除できないという見方もある。