あの名シーンは再現不可能?…タイタニック号は崩壊が進んでいる(海外)

AI要約

タイタニック号の象徴的な舳先が海底に崩れ落ちていることが研究者らによって報告された。

同じく海底に失われていた「ベルサイユのダイアナ」の銅像の場所も突き止められた。

タイタニック号の残骸は徐々に崩れているため、歴史的な姿が再現されることは難しいとされている。

あの名シーンは再現不可能?…タイタニック号は崩壊が進んでいる(海外)

タイタニック号の象徴的な舳先が崩れて海底に落ちていると研究者らが報告している。

この舳先は、ジェームズ・キャメロン監督が1997年に船の沈没を描いた映画の中で、最も有名なシーンのきっかけとなった。

失われたと思われていた貴重な銅像「ベルサイユのダイアナ」の場所も突き止めた。

タイタニック(Titanic)号で誰もが知る場所が、海底で一世紀以上の時を経て、崩れ落ちている。

この歴史的な船の沈没の物語は、1997年にジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督によって同名で映画化され、不滅のものとなった。この映画で最も有名なのが、序盤でレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)演じるジャック(Jack)が、ケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)演じるローズ(Rose)を抱きかかえ、船の先端に立つシーンだ。

「飛んでるわ!」と、ローズは両手を広げて言う。

だが今夏、この沈没船を無人潜水艇で調査したところ、その一部が崩れ落ちていることが明らかになったとNPR(National Public Radio)が9月2日に報じた。

「8月に沈没船に到達した時、左舷の手すりが崩れ落ちているのを発見した」とRMSタイタニック(RMS Titanic)の研究者、ジェームズ・ペンカ(James Penca)はNPRに語った。同社はタイタニック号の残がいに関して独占的な引き揚げ権を持っている。「これはごく自然なことで、手すりの他の部分も弱くなってきている。だが、これほど注目を集め、しかし、これほど注目され、数多く写真に撮られ、象徴的な手すりが今、海底に横たわっているというのは、大きな変化だ」

「タイタニック号は昔の姿に戻ることはできないだろう」とペンカは付け加えた。

RMSタイタニックは、2010年以降初めて「高解像度カメラとスキャン装置」を搭載した機器を海底に送り込み、今回の発見をしたとNPRは報じている。

このミッションの目的の1つは、将来的に回収できそうな工芸品を見つけ、写真を撮ることだったとペンカは述べた。最も待ち望まれていたのが「ベルサイユのダイアナ(Diana of Versailles)」だ。高さ2フィート(約61cm)の銅像で、タイタニック号のファースト・クラス・ラウンジにあった物だという。この銅像の写真が最後に撮られたのは1986年で、再び見つかる確率は「干し草の山の中から1本の針」を見つけるようなものだったとペンカは付け加えた。

「試行錯誤を重ね、どうにかダイアナを見つけ、38年振りに写真を撮ることができた。調査時間残りわずか数時間というところでの発見だった」とペンカはNPRに語った。

今回、研究者はタイタニック号の写真も200万枚撮ったとNPRは報じた。タイタニック号をできるだけカメラに収めるためには、時間が重要だ。細菌が金属フレームを腐食させ、あと数年で船体が消えてしまう可能性があると科学者らが予測しているためだ。