「移民が犬を食べている」 追いつめられたトランプ氏が陰謀論発言で自爆 ハリス氏が仕掛けた罠

AI要約

11月のアメリカ大統領選挙に向け、民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領(59)と共和党大統領候補のドナルド・トランプ被告・前大統領(78)がテレビ討論会で対決した。ハリス氏が巧妙な罠を仕掛け、トランプ氏を自爆させる様子がコメディーのように描かれた。ハリス氏の巧妙な仕草とトランプ氏の反応に若者たちが笑い声を上げた。

ハリス氏は指をあごに当てる仕草でトランプ氏の怒りに火をつけ、笑い声を引き出した。トランプ氏は最初は神妙な態度を保っていたが、ハリス氏の罠に引っ掛かり始め、討論が進むにつれて失言を重ねていった。

トランプ氏の異様な参加者数に対する執着心や事実との食い違いについても触れられた討論会は、ハリス氏が冷静かつ巧みにトランプ氏を追い込んだ様子が伝わった。

「移民が犬を食べている」 追いつめられたトランプ氏が陰謀論発言で自爆 ハリス氏が仕掛けた罠

 11月のアメリカ大統領選挙に向け、民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領(59)と共和党大統領候補のドナルド・トランプ被告・前大統領(78)がテレビ討論会で対決した。米在住ジャーナリストが現地から報告する。

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 ハリス氏が、罠(わな)に餌を仕掛けて、笑顔を浮かべながら待つ。すると、トランプ氏がすかさず餌に食いつき、見事に罠にハマる。経験を積んだはずの男性が、何度も何度も見事に罠の中に入り「自爆」する。

 10日夜(米現地時間、以下同)、大統領選挙のテレビ討論会で目の当たりにした驚くべき光景だ。記者が取材に行ったニューヨークのルーフトップバーにいた数百人の若い人からは、その度にハッハッハ!と笑い声が上がった。まるでコメディーだ。

■ハリス氏が指をあごに当てるたび

 ハリス氏は仕掛けとなる発言をすると、右手の細い指をあごに当てる。そして、怒りで火がついた状態のトランプ氏がいる右方向を見て、艶然(えんぜん)と笑顔を浮かべている。彼女が指をあごに当てるたびに若者たちから笑い声が上がった。ハリス氏が「思うつぼ」と思っているのが、ありありと分かるからだ。

 トランプ氏は、討論会が始まってからしばらくは神妙な様子で、不規則発言を避けていた。討論会前に側近から訓練を受けており、司会に対し「(質問を)ありがとう」とまで言っていた。しかし、最初の罠は、90分の討論会が始まって30分ほどで放たれた。トランプ氏は、下り坂をゴロゴロと転げ始めた。

 「視聴者のみなさんは、トランプ氏の選挙集会に行くべきだ。そうすれば、彼が理にかなっていないことばかり言うのを聞かされてつまらなくなり、集会が終わる前に人々が退席するのを見られるから」(ハリス氏)

 実は、トランプ氏はイベントの参加者数について異様な執着心を持っている。オバマ元大統領は「数字に対する異様な妄想は、おかしくないか」と8月に開かれた民主党大会の演説で触れている。

 トランプ氏は2017年1月、大統領就任式に集まった市民の数が25万人としたメディアの報道が「嘘」だと批判した。09年のオバマ氏の就任式には180万人が集まり、ロイター通信が高所から撮影した、09年と17年の2枚の写真を並べると明らかに違いがあるが、トランプ氏は「嘘をついている」としていた。