「明日の島」と「昨日の島」 ベーリング海峡通過、北極海に みらい

AI要約

海洋地球研究船「みらい」がベーリング海峡中央にあるダイオミード諸島を通過し、北極海に入った。

ダイオミード諸島は米国領とロシア領にまたがり、日付変更線に挟まれているため「明日の島」と「昨日の島」とも呼ばれる。

リトルダイオミード島には80人が住んでおり、両島の間には冬季に氷が張ることもあるが、往来は禁止されている。

 【みらい船上・時事】海洋地球研究船「みらい」は4日夜(日本時間5日午後)、ベーリング海峡中央に位置するダイオミード諸島を通過した。

 二つの島から成る同諸島の一つは米国領、もう一つはロシア領。日付変更線が二つの島の間を通っているため、「明日の島」と「昨日の島」とも呼ばれる。みらいは5日未明、北極海に入った。

 大きい島はロシア最東端となるラトマノフ島で、小さい島は米国領のリトルダイオミード島。両島は最も近い場所で3.8キロメートルしか離れていないが、20時間の時差がある。リトルダイオミード島には約80人が居住している。

 米地質調査所によると、冬季には両島の間に氷が張ることがあり、米国とロシアを歩いて行き来できる唯一の場所となる。ただ、往来は禁じられているという。

 みらいは米国の領海内を航行し、リトルダイオミード島の北東約8キロを通過。遠方からは島影を確認できたが、接近するにつれて海上は霧に覆われ、視界は100メートル以下に低下した。

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用するみらいは8月下旬、青森県むつ市の関根浜港から出航した。地球上で最も早く温暖化が進む北極の環境変動を調査するため、約1カ月に及ぶ北極航海を行っている。