フィンランドの北極圏ラップランド、観測史上最も暑い夏

AI要約

フィンランドの北極圏、ラップランド地方の今年の夏は観測史上最も高い気温を記録。

1979年以降、北極圏の温暖化は他の地域の4倍近い速さで進んでおり、干ばつや山火事などの影響も出ている。

気象研究所の専門家は、今後も暑い夏の頻度が増えると予測している。

フィンランドの北極圏ラップランド、観測史上最も暑い夏

【AFP=時事】フィンランドの北極圏、ラップランド(Lapland)地方の今年の夏の気温は、観測史上最も高かったとする調査結果をフィンランド気象研究所の専門家が2日、AFPに明らかにした。

 ラップランドでは今夏、20世紀初頭以降の平均気温を2~3.5度上回る記録的な高温が観測された。

 フィンランドとノルウェーの研究者によると、1979年以降、北極圏の温暖化は他の地域の4倍近い速さで進んでいる。

 フィンランド最北部のほぼすべての気象観測所で、今年6~8月の気温は観測史上最高を記録。北極圏にある小さな町ソダンキュラ(Sodankyla)の平均気温は、15.9度だった。気候変動の影響がなければ、約1.8度は低かったはずだと気象研究所は指摘している。

 フィンランド全体の同期の平均気温は、過去最高だった1937年と同じ16.2度だった。

 気象研究所によれば、記録的な気温の高さは高気圧の影響と気候変動によるもので、高温により、国内全域で干ばつや大規模な山火事も発生した。

 ノルウェー気象研究所も2日、北極圏のスバルバル諸島(Svalbard Islands)が3年連続で、観測史上最も暑い夏となったと発表した。中心都市ロングイェールビーン(Longyearbyen)の空港で記録された8月の平均気温は、平年より5度高い11度だった。

 フィンランドの気候専門家らは、今年のような夏の酷暑は気候変動の影響により20世紀初頭に比べて約70倍も発生しやすくなっていると推定している。

 同気象研究所の主任研究員ミカ・ランタネン(Mika Rantanen)氏は、「20世紀初頭には、これほど暑い夏になる可能性は2000年に1度だったが、現在では25年に1度の確率だ」と指摘。「このままいくと、2050年には5年に1度の発生率になる」との見方を示した。【翻訳編集】 AFPBB News