半導体トップが集結した台湾の見本市…「AI時代最大の難題はメモリー」

AI要約

サムスン電子とSKハイニックスが台湾での半導体見本市で競い合う様子を報じた。

SKハイニックスは広帯域メモリー市場での地位を強化し、AIメモリー技術の新たな可能性を探る姿勢を示している。

一方、サムスン電子は既存のHBMから脱却し、革新的なメモリーアーキテクチャーを導入する戦略をとっている。

半導体トップが集結した台湾の見本市…「AI時代最大の難題はメモリー」

世界のメモリー半導体の2大巨頭であるサムスン電子とSKハイニックスの人工知能(AI)メモリー指令塔が「半導体の島」台湾で顔を合わせた。4日に台湾の台北で開かれた半導体見本市「セミコン台湾」に参加したサムスン電子の李禎培(イ・ジョンベ)メモリー事業部長(社長)とSKハイニックスのキム・ジュソンAIインフラ担当社長は基調演説に出て自社の半導体技術力を誇示した。

両社のメモリー部門トップは「AI時代の最大の難題はメモリー半導体になるだろう」としながら口をそろえて次世代メモリー技術の重要性を強調したが、強調した部分は少しずつ異なった。

AIメモリー半導体の象徴に浮上した広帯域メモリー(HBM)市場で早くから勝機をつかんだSKハイニックスはトップの座を固めようとしている。キム社長はこの日「AIメモリー技術の新たな可能性を開く」という主題で演壇に立ち、「AI技術が発展するほど高効率メモリー需要が増えるだろう」と話した。キム社長はSKハイニックスの疾走を率いたHBM事業を世界1位に引き上げた功労を認められ昨年社長に昇進した。

キム社長は「現在HBM3Eのほかにもサーバー用DRAM製品であるDIMMとNAND基盤のeSSD、低電力DRAMであるLPDDR5Tを市場に供給している」と話した。HBMで先取りした優位をDRAMとNANDなどメモリー半導体市場全般に広げてAI時代にメモリートップの座に確実に上るという抱負を示した格好だ。SKハイニックスは先月29日に世界で初めて10ナノメートル(ナノ=10億分の1)級第6世代(1c)DRAM開発に成功した。

これに対しサムスン電子は現在の技術構図はいつでも変えられるとして状況逆転を狙っている。李社長は「AIが進化する過程でサーバー基盤のAIだけでは限界がある。HBMが得意なだけでは十分でなく、オンデバイスなど多様な製品群が必要だ」と話した。戦線を既存のHBMから低電力チップなど多様な方式のAI半導体に広げて構図をひっくり返そうという戦略だ。

李社長は「サムスンは革新的なメモリーアーキテクチャーを導入している。既存のメモリー工程だけではHBMの性能を高めるのに限界があるためファウンドリー(半導体委託生産)とシステムLSI(設計)を独自に保有しているサムスンはこの分野で最も強力な位置にある」と強調した。世界の半導体企業のうち唯一メモリーと設計、ファウンドリー(製造)をすべてしている強みを最大限活用するという意図とみられる。半導体業界では早ければ来年下半期に量産される第6世代HBM4からロジック(システム)半導体とメモリー半導体の境界が崩れ始め、ファブレス(半導体設計専門)、ファウンドリー、メモリー企業間の主導権争いが広がると予想する。