「アジアのノーベル賞」に宮崎駿氏 「人間の現在地、照らし出した」

AI要約

アジアのノーベル賞と呼ばれるマグサイサイ賞の2024年受賞者に、アニメ映画監督の宮崎駿氏が選ばれた。

宮崎氏はスタジオジブリの共同設立者として多くの記憶に残るアニメ映画を制作し、社会の課題に取り組んできたことが評価された。

同賞はフィリピンのマグサイサイ大統領を記念して設立され、今年は宮崎氏ら4人と1団体が受賞した。

「アジアのノーベル賞」に宮崎駿氏 「人間の現在地、照らし出した」

 「アジアのノーベル賞」といわれ、アジア地域で平和や社会の発展に尽くした個人や団体をたたえる「マグサイサイ賞」の2024年の受賞者に、アニメ映画監督の宮崎駿氏(83)が選ばれた。フィリピンのマグサイサイ賞財団が31日に発表した。

 財団は宮崎氏について、アニメ制作会社「スタジオジブリ」の共同設立者として「世界で最も記憶に残り、愛される長編アニメ映画を多く制作してきた」と紹介。「人間の現在地を照らし出すことへの、生涯の献身がたたえられた」とした。

 受賞理由の説明の中で、環境保全や平和、ジェンダー平等といった社会の課題を取り扱ってきた点を挙げ、「芸術を駆使し、子どもにも(複雑な問題を)理解できるようにした」と称賛した。

 同財団は、フィリピンの故マグサイサイ大統領を記念して1957年に設立された。これまで日本人では、アフガニスタンで人道支援に取り組んだ中村哲医師や、国連難民高等弁務官だった緒方貞子氏らが受賞している。今年は宮崎氏ら4人と1団体が受賞した。(バンコク=大部俊哉)