動物園のゴリラやボノボが細菌感染、3頭が相次ぎ死ぬ 米フロリダ州

AI要約

フロリダ州のジャクソンビル動物園で感染力の強い細菌性赤痢により類人猿3頭が相次いで死亡したことが明らかになった。

感染源は不明だが、無症状の類人猿から感染した可能性があるとされており、感染が拡大してしまった可能性も考えられる。

動物園は感染症への注意を呼びかけると共に、他の動物の治療や寄付の募集を行っている。

動物園のゴリラやボノボが細菌感染、3頭が相次ぎ死ぬ 米フロリダ州

(CNN) 米フロリダ州のジャクソンビル動物園は、感染力の強い細菌性赤痢のために類人猿3頭が相次いで死んだことを明らかにした。

同動物園は22日のSNSへの投稿で、35歳のメスのローランドゴリラ「ブレラ」が細菌性赤痢のために死んだと発表した。細菌性赤痢は下痢、けいれん、嘔吐(おうと)、脱水など胃腸の症状を引き起こす疾患。

続いて26日には、ボノボのきょうだいの「ジュマンジ」と「ジェンガ」が同じ感染症で死んだことを明らかにした。

感染源は不明だが、無症状の類人猿から感染した可能性があると動物園は説明。「無症状の職員から細菌が感染した可能性もあるものの、可能性は極めて低い」としている。

細菌性赤痢は通常、糞便や餌、水を通じて類人猿に感染する。米疾病対策センター(CDC)によると、人にも感染することはあるが、抗生剤による治療を受けなくても大抵は自然に症状が消えるという。

ジャクソンビル動物園は記者会見で、来園客にとって危険はないと強調した。

死んだ3頭には心臓の基礎疾患があり、感染症の影響を受けやすい状態だったという。

人間に比べて類人猿は細菌性赤痢に対抗することが難しく、感染すると重症化しやすい。

類人猿舎で飼育されているほかの18頭についても、一部が死んだ3頭と同じような症状を発症しているといい、無症状の集団から引き離して治療を行っている。

治療は輸液、抗生剤や電解質の投与などを行っており、一部は沈静状態にして点滴治療を必要とする可能性もあると動物園は説明。感染した動物の治療を続けるために、一般からの寄付を募っている。