沸騰する南海岸の海…1200万匹のクロソイがへい死=韓国

AI要約

高水温で慶尚南道の南海岸養殖魚類への被害が過去最悪になっている。高水温による被害は増加傾向にあり、対策が追いつかない状況。

養殖漁民は被害額が増える中、代替魚種の開発を求めている。クロソイの代わりを見つける難しさが課題となっている。

国立水産科学院はイサキなどの代替品種を開発中であり、代替魚種の研究が進められている。代替魚種の開発が急がれている状況。

沸騰する南海岸の海…1200万匹のクロソイがへい死=韓国

高水温で慶尚南道(キョンサンナムド)の南海岸養殖魚類への被害が過去最悪になっている。26日、慶尚南道によると、今月17日から24日まで慶尚南道統営(トンヨン)、巨済(コジェ)、南海(ナムヘ)、高城(コソン)の養殖場319カ所から申告された養殖魚類の被害量は1710万2000匹〔291億1500万ウォン(約31億7000万円)〕となった。「史上最悪」と記録された昨年の1466万匹(被害額207億ウォン)をすでに上回った。慶尚南道では2012年に初めて高水温被害が集計されて以来、2017年に343万匹(47億ウォン)→2018年に686万匹(91億ウォン)→2021年に1042万匹(117億ウォン)へと増加傾向を示した。

行政・水産当局は気候変動で水温が上がり、高水温による被害が続くものとみている。「高水温警報」が下された南海岸では29度前後の高水温が10日以上続いている。通常、養殖魚類は28度を上回る高水温に長時間さらされるとへい死する。国立水産科学院関係者は、「南海側の水温が平年より2~3度以上高い」とし、「例年より南海を通過する暖かい海流である対馬海流の流速も例年より速く、水温に影響を及ぼしている」と説明した。

自治体と漁民は可能な限りの対策を総動員している。炎天下を覆う黒い遮光膜を養殖場に設置し、免疫増強薬も供給する。高水温には溶存酸素が減り、酸素発生器も24時間稼動する。表層より水温が相対的に低い低層の海水を引き上げる低層水供給装置も運用する。しかし、高水温による被害を防ぐには力不足だ。

統営のある養殖漁民(60代)は、「養殖場の冷蔵庫に死んだ魚だけが積まれている」とし、「腐った臭いが漂っていても、被害を算定する必要があるのですぐに捨てるわけにもいかない」と話した。この漁民は今月22日に死んだクロソイやカワハギなどが入ったゴム製缶(80~90キロ)数十個を運んだ。南海岸の高水温被害が繰り返されると、慶南魚類養殖協会のイ・ユンス会長は「政府レベルで代替魚種の開発が急がれる」と話した。

高水温被害が最も大きい養殖魚類は「クロソイ」だ。今回、慶尚南道で集計された高水温被害量の71%である1221万3000匹(171億5400万ウォン)がクロソイだ。冷たい水を好むクロソイは、高水温(水温28度以上)に弱い。限界水温は28度だが、大体26度を超えると生理機能が低下し、死亡の可能性が大きくなる。ヒラメの次に多く養殖するだけに被害も大きかったわけだ。全国養殖クロソイの生産量の80%を南海岸を挟んだ慶尚南道(48%)、全羅南道(チョルラナムド、32%)が占めている。

しかし、「国民の魚」と呼ばれるクロソイに代わる魚種を見つけることも容易ではない。クロソイはぷりぷりとした肉質と味で韓国の消費者が好む刺身だ。また、蒸し・焼き・辛味スープ用としても愛用される。従来の魚類とは異なり、卵ではなく子を産む「卵胎生魚種」で、稚魚生存率が高いなど飼育も容易だ。

これを受け、国立水産科学院は亜熱帯魚種のイサキなどを研究し、代替品種を開発中だと明らかにした。イサキは脂肪が豊富で、夏場の刺身としても価値が高いという。韓国水科学院関係者は「イサキをクロソイの代替にすることができるかどうかを確認するために慶南水産資源研究所と協力し、南海岸の海上養殖場で越冬の可能性を把握中」とし「カンパチ・メジナなども養殖種として開発するため研究を進めている」と話した。