韓中関係改善の試金石は次期駐韓中国大使…次官級を期待(2)

AI要約

中国が韓国に大使任命に次官補級以上を送ることが重要である。

韓中首脳会談を推進するため、次期大使任命の選択が重要である。

韓中関係の改善を図るため、順序良く交流を進める必要がある。

次期大使と関連し韓国には希望がある。大使の格の問題だ。中国が北朝鮮には次官級を派遣し韓国には副局長や局長級を送るのが正しいのかという指摘だ。中国が韓国を見下しているからそうなのだという不満が出ている。したがって中国が韓国との関係改善に誠意を見せるには少なくとも次官補級以上を大使に任命しなければならないということだ。消息筋によると次期大使はまだ確定していない。

大使任免は2カ月ごとに開かれる中国全国人民代表大会常務委員会会議を経て公開され、6月末に邢大使の免職が決定された。後任人選は8月末に行われる可能性が大きい。その後のアグレマン手続きなどを考慮すれば早ければ9月、遅れれば10月に新大使が赴任することになる。重量級人物が来れば韓中関係が弾みをつけやすい。続けて新しいチャンネルに基づいて韓中首脳会談を推進しなければならない。

中国には国同士の付き合いは国民同士の親しさにある(国之交在于民相親)という言葉がある。事実、国民同士の親しさを構築するためには指導者の交流が先行しなければならない。習主席のパワーが絶対的な中国の状況を考慮すれば特にそうだ。韓日関係改善もまた、尹錫悦大統領と岸田首相の会談で急速に進んだではないか。中国大使赴任後の韓中首脳会談の最初の舞台としては11月にペルーのリマで開かれるAPECが理想的とみられる。

◇「けんかをしなくては互いにわかり合えない」

昨年のサンフランシスコでのAPECの際はぎくしゃくした韓中関係を反映するかのように尹大統領と習主席がすれ違うように会ったのがすべてだった。今回のペルーでのAPECではまともに会談をしなければならない。北朝鮮の核とミサイル脅威、中国内脱北者、供給網安定など韓中が協力しなければならない問題はひとつやふたつではない。首脳間の相互訪問問題も議論しなければならない。韓中関係を明確に改善させるのに両国首脳の相互訪問ほど重要なものがないためだ。

順序で考えれば習主席が来る番だが、韓国の冷たい雰囲気のため中国が気軽に出てくることができないのが現実だ。EAIの2023年「中国国家主席に対する印象」調査で55%が否定的な立場を見せた。良いという答は4%にすぎず、「どちらでもない」が31%に達した。習主席のイメージ改善に時間が必要ということだ。それなら尹大統領の先制訪中も検討する価値はある。これには前提が伴う。

尹大統領訪中に見合ったプレゼントを中国が持たせなくてはならないという点だ。韓国国民は対中外交で何を望むだろうか。EAIの2023年の調査によると中国の経済制裁に対する対応が28%で最初に挙げられた。続けて中国との経済・先端技術協力が23.1%、北朝鮮の非核化共助が19.8%、国民相互認識改善が18.8%、気候変動と環境・感染症協力が10.2%の順となった。

中国のTHAAD報復のうち最後に残った韓流の中国進出を妨げる限韓令を解除し、中国がレアアースなどを武器化しないことを望む韓国人の気持ちが読み取れる。こうした成果を担保に尹大統領がペルーAPEC後の来年春に中国を国賓訪問し、続けて来年の慶州APECを契機に習主席が訪韓するならば韓中関係は長いトンネルから抜け出し正常に回復しないだろうかと思う。

けんかをしなくては互いにわかり合えない(不打不相識)という言葉が中国にある。THAAD問題から8年も争ったので互いに知ることになったものも少なくない。これからは協力を模索する時だ。